3年目となるスーパーモトクロス（SMX）ワールドチャンピオンシップ（SX×17戦＋MX×11戦＋SMX×3戦）が、後半のアウトドアシリーズに突入した。言い換えれば、AMAプロモトクロスの開幕である。エントリーリストには、負傷によりスーパークロスを欠場していたライダーの復活や参戦するヨーロピアンの増加が顕著になり、密度の高まりが感じられる開幕戦となった。
FOXレースウェイの土質は、以前のサンディから一段と硬化し、ハードパックと呼んでも差し支えないレベルに達している。表面には変化に富む砂の存在があるが、随所に顔を出すベース層は相当硬い。オーソドックスなタイヤチョイスによれば、ミディアム用かソフト用を選ぶところだが、後輪にサンド／マッド用のMX14タイプを履くのが近年のトレンド。スクープ形状による推進力を重視した作戦だが、今大会でも多くのライダーがこのタイヤを選び、もはや奇策とは言えない状況だった。
午前中に行われたクオリファイングセッションで、ポールポジションを獲得したのは、450＝2分14秒379＝ジェット・ローレンス（ホンダ）、250＝2分16秒952＝チャンス・ハイマス（ホンダ）だった。
450クラスのモト1は、負傷欠場からカムバックを果たしたローレンス兄弟の好スタートで始まった。サイドバイサイドで接触しながらも、ホールショットラインではJ・ローレンスが先行し、ハンター・ローレンス（ホンダ）、ジャスティン・クーパー（ヤマハ）、チェイス・セクストン（KTM）が後に続く。セクストンは1周目に何らかの不調を来したゴーグルを脱ぎ捨てた後、5周目の転倒でリタイアした。
ディフェンディングチャンピオンの離脱もあって、早々とJ・ローレンスの独走が固まる。クーパー、H・ローレンスの背後には、やはり今大会から復帰したイーライ・トマック（ヤマハ）が迫ったが、トップスリー入りは果たせず。モト1の勝利は、11秒差をつけたJ・ローレンスが物にした。
450クラスのモト2では、H・ローレンスがホールショットを決めたが、オープニングラップからJ・ローレンスが先行。2周目にはトマックが2位に浮上し、トップ争いに名乗りを上げた。J・ローレンス対トマックのバトルは熾烈を極め、やがて3位以下は20秒ほどの大差に。レース終盤まで続いた死闘は、J・ローレンスの逃げ切りによって幕を閉じた。
オーバーオールでは、J・ローレンスが優勝（1位／1位）、トマックが2位（4位／2位）、H・ローレンスが3位（3位／4位）でポディアムに登壇した。セクストンはノーポイント（DNF／DNS）に終わったため、現時点で首位から50点ビハインドとなった。
Photo: MX Sports Pro Racing
