ロッキー山脈の麓、レイクウッドにあるサンダーバレー・モトクロスパークは、シリーズ開催地の中でも真っ先に難所として挙げられるコースだ。デンバーSXも同じような条件下だが、海抜1,700mにある当地では、気圧の低さに起因するマシントラブルやライダーの高山病など、多くのエピソードが生まれてきた。2008~09年には、ガソリンの泡立ちを防ぐために、投光機を配備してナイター開催が試みられたこともあった。
山に挟まれた地形にあるコースは、概ね緩やかな斜面を生かしたレイアウトだが、パワーが要求されるスタートから1コーナーまでの登り坂など、排気量差が出るセクションが多々ある。今回はコース前半の緩斜面のレイアウトを見直し、180度ターンが追加されたことでパッシングポイントが増えた。また、フィニッシュからスタートストレートへの接続がショートカットされたが、トータル的なラップタイムにはあまり変わりがない。
計時予選でポールポジションを獲得したのは、450=2分10秒829=ジャスティン・クーパー(ヤマハ)、250=2分15秒861=チャンス・ハイマス(ホンダ)。450の優位が表れるクオリファイとなったが、450→250の順で行われた変則的タイムスケジュールの影響もあっただろう。
450クラスのモト1(30分+2周)は、ハンター・ローレンス(ホンダ)のホールショットで始まった。1周目にはジェット・ローレンス(ホンダ)、アーロン・プレシンガー(KTM)が先行し、H・ローレンスの後ろにはイーライ・トマック(ヤマハ)、RJ・ハンプシャー(ハスクバーナ)がつけた。トップのJ・ローレンスはプレシンガーを突き放すことができず、マージンは1~2秒程度だった。
ハーフウェイに差しかかると、H・ローレンスが2位に浮上。残り5分の大詰めでは、プレシンガーがローレンス兄弟を抜いてトップに立ったが、反撃に転じたJ・ローレンスがリーダーに返り咲く。ラスト2周にはH・ローレンスが転倒して4位に。フィニッシュはJ・ローレンス、プレシンガー、トマックの順となった。
450クラスのモト2では、コーティ・ショック(ヤマハ)がホールショットを奪った。リーダーは2周目にH・ローレンス、3周目にクーパーと入れ替わったが、8周目にはスタート6位から追い上げたJ・ローレンスがトップに躍り出た。レース後半は、J・ローレンスと地元コロラド出身のトマックによる接近戦が過熱した。しかし、ラスト4周にトマックが転倒し、J・ローレンスが大差でチェッカーを受けることになった。
オーバーオールでは、J・ローレンスが完全優勝(1位/1位)、2位トマック(3位/2位)、3位プレシンガー(2位/5位)。ポディアムのセンターポジションは、3戦連続でJ・ローレンスが独占している。
Photo: MX Sports Pro Racing