第4戦　ペンシルベニア州マウントモーリス

マウントモーリスのハイポイント・レースウェイを説明する時に、必ず用いられるキーワードがある。アップダウン、逆バンク、そしていつも言及されるのが「雨」だ。この時期のアメリカ東部は日本に似た降水確率の高い気候で、ハイポイントにおけるレースはマディになることが多い。今年もその例にもれず、少なからず雨の影響を受けることになった。モト1までは雷注意報が外れたかのような好天だったが、450クラスのモト2だけは強い雨に見舞われたのだ。
　クオリファイングセッションで最速だったのは、、450＝2分01秒772＝ジャスティン・クーパー（ヤマハ）、250＝2分02秒798＝ヘイドン・ディーガン（ヤマハ）。ところが雨中のレースとなった450モト2では、トップのベストラップタイムが2分08秒台まで落ちた。

　450クラスのモト1（30分＋2周）は、ジェット・ローレンス（ホンダ）のホールショットで始まった。クーパーを挟んで、アーロン・プレシンガー（KTM）、ハンター・ローレンス（ホンダ）が続き、トップグループが形成される。J・ローレンスは、2位に上がったプレシンガーに対し4秒ほど差を付けたが、6周目にマシンをストールさせ、リーダーの座を明け渡してしまった。プレシンガーは4周ほどトップを走り、レース中盤の時間帯を支配したが、10周目にJ・ローレンスが逆転すると勝負は決定的となった。ペースが衰えたプレシンガーは、H・ローレンスにも先行を許す。こうしてローレンス兄弟の1-2フィニッシュが達成され、プレシンガーは大差の3位でチェッカーを受けた。

　450クラスのモト2スタート直前から、強い雨が降り出した。オープニングラップのリーダーは、ホールショットのH・ローレンスをかわしたイーライ・トマック（ヤマハ）。一方モト1ウィナーのJ・ローレンスは、出遅れて1周目のコントロールラインを9位で通過した。トマックはマディを味方に独走し、9周目には12秒の大差をつけた。そして残り時間が7分02秒となったところで、雷の接近によってレッドフラッグが振られた。
　この段階でレースは成立し、トマック、H・ローレンスに続いて、J・ローレンスが3位に入った。総合優勝はJ・ローレンス（1位／3位）、H・ローレンスが2位（2位／2位）、トマックが3位（5位／1位）となった。
Photo: MX Sports Pro Racing

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250クラスのモト1では、ネイト・スラッシャー（ヤマハ）がホールショットを決め、ディーガン、ケイドン・ミニア（ヤマハ）を含めたスターレーシングが、1-2-3を独占した。編隊走行は長くは続かず、ポジションを入れ替えたディーガンとスラッシャーが、レース序盤を引っ張った。
　レース中盤には、リーバイ・キッチン（カワサキ）が2位、セス・ハメイカー（カワサキ）が3位に浮上してきたが、10秒以上のリードを築いたディーガンのアドバンテージは揺るがず、そのままの順位でチェッカー。下田丈（ホンダ）は、スタート11位から6位まで挽回した。

　250クラスのモト2は、トム・ビアル（KTM）がホールショットを奪ったが、オープニングラップ中の速攻により、ディーガンとチャンス・ハイマス（ホンダ）が前に出た。トップ争いには早々と決着がつき、1～2位は単独走行となったが、その後方でビアルvs下田の3位争いが激化。6周目に下田が転倒して後退し、ビアルの3位は安泰となった。やがてディーガン、ハイマス、ビアルが各々10秒間隔となりポジションが確定。下田は5位まで挽回してフィニッシュした。

　オーバーオールでは、ディーガンが完全優勝（1位／1位）。2位にビアル（4位／2位）、3位にはキッチン（2位／6位）が入賞した。
Photo: MX Sports Pro Racing

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