開幕から晴天続きだったアウトドアシリーズが、10戦目にして初めてマディコンディションに見舞われた。バッズクリークは比較的降水確率が少なく、2015年のナショナルを最後に悪天候とは無縁だった会場だが、今回は午前中に雨量が集中した。すりばち状の地形にレイアウトされたコースは、随所に川ができるほどコンディションが悪化した。
雨中のクオリファイは、後のセッションになるほどタイムアタックが難しくなり、2本目になると出走数が少ない組もあった。最速タイムを刻んだのは、450=1分54秒734=ヘイドン・ディーガン(ヤマハ)、250=1分56秒283=リーバイ・キッチン(カワサキ)。いずれも1本目のセッションで記録したものだった。
シリーズも残すところ2戦となり、タイトル争いはクライマックスを迎えている。450クラスは、ハンター・ローレンス(ホンダ)とジェット・ローレンス(ホンダ)の一騎打ちだが、前戦までに首位交代が5回という目まぐるしさ。シーズン中盤には1点差の接戦もあったが、今大会にはJ・ローレンスがH・ローレンスに10点差をつけて臨んでいる。250クラスでは、セス・ハメイカー(カワサキ)や下田丈(ホンダ)がポイントリーダーになることもあったが、今大会に持ち込まれたトップ争いは、首位キッチン対コール・デイビース(ヤマハ)。その差はわずか1点である。
やがて雨が止むと、午後には日が差すようになった。路面はマディから徐々に回復し、最終レースではベストに近いコンディションへと変化した。
450クラスのモト1(30分+2周)は、ディーガンのホールショットで始まった。注目のH・ローレンスは2位につけたが、J・ローレンスはスタートに失敗し18位だった。2周目からはH・ローレンスがリーダーとなり、ディーガン、イーライ・トマック(KTM)、ホルヘ・プラード(KTM)を徐々に引き離していった。
ハーフウェイポイントに差しかかると、周遅れの出現などにより1~2位の間隔が狭まったが、15周目にファーステストラップを記録するスパートでH・ローレンスが逃げ切った。一方、J・ローレンスの追い上げは、5位まで到達したところでチェッカー。H・ローレンスに対するポイントリードは、この時点で2点まで減少した。
450クラスのモト2では、ホールショットを決めたH・ローレンスとは対照的に、J・ローレンスがまたしてもスタート10位と出遅れた。H・ローレンスは、プラードに追尾されながらもセーフティリードを確保。6周目にはJ・ローレンスが3位まで浮上し、10秒先行するプラードを追いかけた。30分を消化する頃には、テールトゥノーズとなり、最終ラップ勝負で2位に浮上したJ・ローレンスだったが、6秒先にフィニッシュしたH・ローレンスには届かなかった。
完全優勝(1位/1位)を果たしたH・ローレンスは、総合4位(5位/2位)にとどまったJ・ローレンスを逆転し、ランキング首位に躍り出た。最終戦を前に両者のポイント差は1点。兄弟によるチャンピオン決定戦に相応しい状況が整った。
Photo: MX Sports Pro Racing