AMAプロモトクロスの開催地は、アメリカの北東部に集中している。サウスウィック、ユナディラ、バッズクリーク、マウントモーリス。さらに範囲を広げるならば、ナショナルのセンターピースと呼ばれるレッドバッドも含めていいだろう。これだけ伝統的なコースがイーストに多いのは、モトクロスが半世紀ほど前にヨーロッパから伝来した名残だ。
中でもサウスウィックは、以前からMXGPライダーがスポット参戦するラウンドとして有名だった。その背景には、ヨーロッパから最も近いAMAナショナルという地理的要因があったのだが、今年は前週グランプリが開催された南アフリカから移動してきたヨーロピアンがいたほどだった。
エントリーの中で際立っていたのは、アントニオ・カイローリ(ドゥカティ)、ロアン・ファンデモースダイク(KTM)、ルカス・クネン(KTM)、サシャ・クネン(KTM)。開発目的のカイローリはさておき、オランダやベルギーからのサンドスペシャリストには一目が置かれていた。
ザ・ウィック338はアメリカ国内有数のサンドコースだが、果たしてクオリファイで最速タイムを刻んだのは、現在MXGPとMX2で各々ポイントリーダーを務めるベルギー人兄弟。450=1分53秒903=L・クネン(KTM)、250=1分56秒691=S・クネン(KTM)だった。
450クラスのモト1(30分+2周)は、ジェット・ローレンス(ホンダ)のホールショットで始まった。ハンター・ローレンス(ホンダ)、ヘイドン・ディーガン(ヤマハ)が順当なスタートで続いたのとは対照的に、ポールポジションのL・クネンは1コーナーで転倒を喫した。序盤はJ・ローレンスがリードを広げ、H・ローレンスとディーガンが僅差で2位を争う形になった。
中盤7周目になると、ローレンス兄弟のギャップが接近。一進一退を繰り返すトップ争いだったが、13周目にJ・ローレンスの転倒によって、H・ローレンスが新リーダーとなった。その翌周には、最後尾から挽回してきたL・クネンが、4位走行中に転倒リタイアを喫した。レースは16周目に入ったところで、別のクラッシュに対応したレッドフラッグによって終了。H・ローレンス、J・ローレンス、ディーガンという順位になった。
450クラスのモト2では、H・ローレンスがホールショットを奪った。ディーガン、J・ローレンスを挟んで、ホルヘ・プラード(KTM)が4位につける。モト1でDNFとなったL・クネンは、出走を見合わせた。トップ4台が僅差のグループとなったが、中盤からはローレンス兄弟による1-2態勢が固まる。
残り5分を切った13周目、モト1とは対照的にH・ローレンスが転倒し、トップの座をJ・ローレンスに明け渡す。これがリザルトを決める出来事となり、総合は優勝J・ローレンス(2位/1位)、2位H・ローレンス(1位/4位)、3位ディーガン(3位/2位)がポディアムに登壇した。