アメリカにはライダーとファンの両方から支持される、魅力的なモトクロス場が多い。ミネソタ州ミルビルにある、スプリングクリークもその一つだ。ネーミングが表している通り、山の麓を流れる小川に沿って設けられたコースで、歴史は'60年代のヒルクライム大会まで遡る。やがてプロモトクロスも行われるようになると、急勾配にはアップダウンがレイアウトされ、現在のオーナー(アレックス&ジェレミー・マーティン兄弟の両親)に受け継がれてからは、マウントマーティンと呼ばれてきた。
2014年に延長された急勾配は、長い登りと下りが1本ずつの度胸試しセクションとして、数々のドラマを生み出してきた。今回のリニューアルでは、直線部のスピードダウンを図るため、中ほどにスイッチバックが新設されたが、副産物としてパッシングポイントが増えたことも挙げられる。低地のサンドフープスから急勾配のハードパックまで、バリエーションに富んだ路面をカバーするタイヤ性能が求められることも、スプリングクリークが名門コースとされる所以である。
クオリファイでポールポジションを獲得したのは、450=1分54秒746=ハンター・ローレンス(ホンダ)、250=1分57秒950=ドゥルー・アダムス(カワサキ)。サンドや急勾配などで、排気量差が顕著に表れた予選結果だった。
450クラスのモト1(30分+2周)は、ヘイドン・ディーガン(ヤマハ)のクラッシュで始まった。接触したホルヘ・プラード(KTM)は、1コーナーでコースアウト。ホールショットを決めたH・ローレンスの後には、ジェット・ローレンス(ホンダ)、ジャスティン・バーシア(ドゥカティ)、クーパー・ウェブ(ヤマハ)、アントニオ・カイローリ(ドゥカティ)が続いた。
兄弟によるトップ争いが展開されたのは最初の段階のみで、3周目からはH・ローレンスのリードが広がり独走状態となった。レース中盤になると、RJ・ハンプシャー(ハスクバーナ)が3位に浮上したが、2位のJ・ローレンスまでは距離があった。関心を集めたディーガンの追撃は、ラスト2周でカイローリ、バーシアをかわしたところで、4位チェッカー。スタートトゥフィニッシュを飾ったH・ローレンスが、J・ローレンスを16秒差で破った。
450クラスのモト2では、連続ホールショットのH・ローレンスを先頭に、J・ローレンス、プラード、ハンプシャーが好発進。モト1とは対照的に、J・ローレンスが5周目に兄を攻略すると、ニューリーダーとして徐々に貯金を蓄えた。ところが残り10分を切った11周目、J・ローレンスが単独でクラッシュ。再スタートに手間取るうちに、5位までポジションを下げてしまった。
このアクシデントによって、モト2はH・ローレンス、ディーガン、プラードの順でゴール。ポディアムには、H・ローレンス(1位/1位)、ディーガン(4位/2位)、J・ローレンス(2位/5位)が登壇した。チャンピオンシップ争いでは、J・ローレンスに1ポイントビハインドだったH・ローレンスが、ランキング首位に返り咲いている。
Photo: MX Sports Pro Racing