ワシューガルは、AMAプロモトクロスの会場としては最も高緯度に位置しており、針葉樹林の中を駆け巡るユニークなコースだ。自然を生かしたアップダウンが特徴で、中でも「ホースパワーヒル」と呼ばれる長い登り坂や、スキージャンプなどが有名。基本レイアウトは長年変わっていないが、スタート地点は初代から3度も移設されてきた。これはトランスポーターの大型化に伴って、パドック配置が変わってきたことと密接な関係があり、他会場でも同じような経過をたどった例がある。
路面は全般的に黒土のハードパックだが、グリップが良さそうに見えて実は非常に滑りやすい。この土質はサンドやおがくずをミックスすることで改善されてきたが、トラクションがつかみやすくなったわけではない。また、林間セクションでは日影の割合が多くなるため、暗さの中で路面を見極める難しさがある。ただし今回に限れば曇りがちだったので、明暗のコントラストが快晴時より弱かった。
クオリファイングセッションで最速だったのは、450=2分08秒222=ヘイドン・ディーガン(ヤマハ)、250=2分12秒269=コール・デイビース(ヤマハ)。クラスにより4秒差が生じた予選結果となった。
450クラスのモト1(30分+2周)は、ディーガンがホールショットを決めながら、2コーナーで転倒という波乱の幕開けとなった。難を逃れた上位グループは、ジェット・ローレンス(ホンダ)、ハンター・ローレンス(ホンダ)、ホルヘ・プラード(KTM)。トップ争いは徐々に、3台から2台へと絞られていった。
最初のコントロールラインを30位でクリアしたディーガンは、6周目に4位までポジションを挽回したが、3位プラードの背中は見えない。兄弟のバトルは中盤まで1~2秒間隔だったが、残り5分あたりからJ・ローレンスが独走態勢を固め、H・ローレンスに7秒差を付けてチェッカーを受けた。
450クラスのモト2では、J・ローレンスがホールショットを獲ったが、ホースパワーヒルで先行したのはH・ローレンスだった。後ろにつけたディーガンは、徐々に差が開いて3位に定着。ハーフウェイすぎからJ・ローレンスが仕掛け、9周目にリーダーになったが、直後のクラッシュで2位に転落。返り咲いたH・ローレンスがトップチェッカーを受けたが、2位のJ・ローレンスは序盤コースアウト時のアクセラレーションがペナルティ対象となり、1ポジションダウンの3位になった。
総合優勝はH・ローレンス(2位/1位)。2位J・ローレンス(1位/3位)、3位ディーガン(4位/2位)を従えて、ポディアムのセンターポジションに登壇した#96が、レッドプレートを維持している。
Photo: MX Sports Pro Racing