AMAスーパークロス第17戦／450SX第17戦／250SXシュートアウト（ウエスト第9戦／イースト第9戦） ネバダ州ラスベガス／サムボイド・スタジアム

開幕からほぼ毎週、アメリカとカナダの大都市を転戦してきたスーパークロスが、最終目的地のラスベガスにたどり着いた。シリーズのファイナルとして定着しているこの大会では、独特なレースフォーマットが採用されている。450SXは通常通りだが、250SXでは東西に分かれて参戦してきた各地区のトップライダーが一堂に会す、イーストウエスト・シュートアウトが行われる。昨年からシリーズポイントが付与されるようになったので、東西の最終戦が混走で行われると言い換えることもできる。

ラスベガスの独自性は、コースレイアウトにも表れている。ここでは会場の狭さを補うために、スタジアムの外にフラットなオーバルセクションが設けられ、その高速コーナーの途中にテーブルトップを挟むのが最近の傾向だ。もちろんインフィールドには、リズムセクションやフープスが所狭しと並べられ、気を抜ける部分は皆無。スキージャンプの先にはサンドセクションが追加され、ハードパックとの対比が際立つレイアウトになっていた。

シリーズの中でも路面が最も硬質になるのは、高温で乾燥しているラスベガスの気候によるものだが、強い日差しと強風を受けて土の乾きが早くなるため、終日撒水作業が行われる。日中のプラクティス時には特に、ドライで滑るところとウェットで滑るところが混在することがあり、いずれにしてもトラクションの変化に対応するのが難しい。

公式練習におけるタイムアタックでは、ジェイソン・アンダーソン（ハスクバーナ）が1分05秒184で450SXのトップ。250SXではアダム・シアンサルーロ（カワサキ）が、ベストラップタイム1分06秒072を出した。

450SXクラスのチャンピオン争いは、ライアン・ダンジー（KTM）＝341、イーライ・トマック（カワサキ）＝332、という9ポイント差の攻防になっていた。メインレース（20分＋1周）では、トマックが2周目に先行するダンジーをかわしてトップに立った。2位には一時アンダーソンが上がったが、5周目以降はダンジーに入れ替わった。

レース中盤、トマックとダンジーの差は3秒から1秒を切るまでに縮まり、随所でデッドヒートが繰り広げられた。終盤になると、トマック、ダンジー、アンダーソンの後ろにチャド・リード（ヤマハ）、ジョシュ・グラント（カワサキ）が迫り、上位5台が僅差で連なる状況となる。最終ラップに突入すると、トマックをかわしてダンジーがリーダーに。その後トマックがダンジーに逆襲する隙に、アンダーソンが2台を抜いて優勝。2位トマック、3位グラント、4位ダンジーの順でフィニッシュした結果、ダンジーが3年連続、4度目のチャンピオンシップを獲得。ダンロップにとって8連覇となるタイトルが確定した。

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昨年はラスベガスに250SX両地区のタイトル争いが持ち込まれたので、1レースで2人のチャンピオンが誕生したが、今年はジャスティン・ヒル（カワサキ）が250SXウエストチャンピオンに決定済み。一方のイーストシリーズでは、三つ巴のタイトル争いが注目の的だった。主役はジョーダン・スミス（KTM）＝160、ザック・オズボーン（ハスクバーナ）＝159、ジョーイ・サバッチー（カワサキ）＝159、という3人。計算上では、シアンサルーロ＝146にもかすかな可能性があった。

メインレース（15分＋1周）では、1コーナーで数台がクラッシュ。この混乱に巻き込まれたのがオズボーンで、再スタートしたときには21位だった。オープニングラップは、シアンサルーロ、サバッチー、スミスが先頭グループを構成する。しかし2周目にサバッチーとスミスが各々単独転倒。スミスに至ってはリタイアとなり、チャンピオン候補の3人が全員つまずく形となってしまった。

3周目以降は、シアンサルーロとヒルが、大きくマージンと取りながら、1-2走行を続けた。サバッチーはその後もミスを続け、4位、7位、8位とポジションダウン。一方オズボーンは、最後尾から着々と挽回し、ラスト3周にはサバッチーに次ぐ9位まで浮上していた。そして迎えた最終ラップ、オズボーンはついにサバッチーともう1台を捉えて7位でチェッカー。接触で転倒したサバッチーは14位となり、オズボーンが逆転で250SXイーストチャンピオンの座を射止めた。

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