インディアナポリスでは、スターティングゲートから1コーナーまでの距離が短い「ショートスタート」が名物となっているが、最近は1年置きに通常のロングスタートもフィーチャーされている。今年は両者の折衷案的なレイアウトで、フィールドの隅からセンターライン付近へ向かう、斜めのファンネル状デザインが採用されていた。1コーナーは前戦デイトナをもっと鈍角にした形で、進入や立ち上がりでラインが交錯することが予想された。
朝のトラックウォークの段階から指摘されていたのは、パッシングポイントの少なさだった。今大会のコースレイアウトには、直角コーナー6ヶ所に対し、180度コーナーが3ヶ所しかないためだ。しかもヘアピンの1つにはスプリットレーンが設けられ、仕掛けられるポイントを狭めることになっていた。土質的には朝の湿った状態から乾く過程でワダチが増える、屋内スタジアムらしいキャラクターのミディアムだった。
抜きどころが少なく、スタートの良し悪しが重視されそうな今大会。日中に行われたクォリファイでは、いつになく激しいタイムアタックが繰り広げられた。450SXは接戦の末に、ジョーイ・サバッチー(カワサキ)の48秒294が最速。250SXではオースティン・フォークナー(カワサキ)が、48秒654でポールポジションを獲得した。
450SXのメインレース(20分+1周)では、マービン・ムスキャン(KTM)がホールショットを取り、サバッチー、イーライ・トマック(カワサキ)、ブレイク・バゲット(KTM)が続いた。差が付きにくいコースレイアウトだったとはいえ、先頭を走るムスキャンのアドバンテージは明らかで、少しずつだが間隔を広げていった。
7周目にはサバッチーが転倒し、ムスキャン、トマック、バゲットにクーパー・ウェブ(KTM)を加えたトップグループとなる。一時は4秒ほどの貯金があったムスキャンだが、レース後半になると追撃に飲み込まれ、4台による接近戦が繰り広げられた。この中からバゲットとウェブがトマックを攻略し、2~3位に浮上。バトルは26周目まで続いたが、ポジションに変動はなくチェッカーを迎えた。今季初優勝をゲットしたムスキャンに続き、2位バゲット、3位ウェブ。この結果、ウェブのシリーズランキング首位は変わらず、2位にはムスキャンが浮上している。

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450SXResult

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 25 M・ムスキャン Red Bull KTM KTM 21:15.596 Dunlop ユーザー
2 4 B・バゲット Rocky Mountain ATV/MC KTM +02.449 Dunlop ユーザー
3 2 C・ウェブ Red Bull KTM KTM +05.298 Dunlop ユーザー
4 3 E・トマック Monster Energy Kawasaki Kawasaki +20.508 Dunlop ユーザー
5 51 J・バーシア Monster Energy Yamaha Yamaha +27.428 Dunlop ユーザー
6 17 J・サバッチー Monster Energy Kawasaki Kawasaki +30.484 Dunlop ユーザー