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450SX
兄弟によるワンツーフィニッシュ! ジェット・ローレンスがタイトルに王手!
ロッキー山脈の麓にあるデンバーには、スーパークロスの開催地として少なからぬ弱点がある。マイルハイ(標高1マイル=1,609メートル)の異名を取る都市ならではの気温と気圧の低さに加え、当地ではコースの狭さが難題となっていた。エムパワーフィールド・アット・マイルハイは、76,125人を収容できる大きなスタジアムだが、フットボールに特化した設計なのでフロア面積が狭い。そこに造成されるスーパークロスコースには自ずと制約があり、昨年は全17戦シリーズの中でも最短のコースだった。ラップタイムは両クラスとも43秒台で、メインレースは450SXが28周(4位まで同一周回)、250SXは21周(8位まで)という目まぐるしさ。その解消に注力した今回のレイアウトには、スタートストレートを3回横断する切り返しを設け、コース長を稼ぐ工夫が施された。
タイムクオリファイで最速だったのは、450SX=ジェット・ローレンス(ホンダ)53秒866、250SX=RJ・ハンプシャー(ハスクバーナ)54秒546。標準的な長さが確保されたコースだったが、デンバーが直面してきた土質、すなわち乾燥しすぎた硬質土に関しては改善できたとは言い難い。当初のデザインでは長いサンドセクションが描かれていたが、用意された砂を粘土と混ぜることでハードパックの土質改良に使ったため、サンドセクションは廃止された。今年は17時にヒートレースが始まり、20時にメインレースが終わる、2時間前倒しのタイムスケジュールが採用された。
450SXのメインレース(20分+1周)は、ハンター・ローレンス(ホンダ)のホールショットで始まった。J・ローレンスを挟んで、3位はジャスティン・クーパー(ヤマハ)、イーライ・トマック(ヤマハ)と入れ替わったが、3周目にはジェイソン・アンダーソン(カワサキ)が定着した。ローレンス兄弟は序盤、1秒ほどのマージンでワンツーフォーメーションを維持した。
レースがハーフウェイポイントを過ぎると、J・ローレンスがスパートしてH・ローレンスを攻略。ポジションを入れ替えた兄弟は、徐々に3位以下を引き離していった。シリーズランキング首位のJ・ローレンスに対し、次点のクーパー・ウェブ(ヤマハ)は、スタート7位から5位まで浮上したが、4位のジャスティン・バーシア(ガスガス)には届かなかった。
やがて単独走行となったアンダーソン、バーシア、ウェブらのはるか前を行く、J・ローレンスとH・ローレンスがチェッカーを受けた。450SX史上初の兄弟によるワンツーフィニッシュによって、J・ローレンスが今シーズン8勝目を挙げ、最終戦でのタイトル獲得に王手をかけた。
Photo: Feld Entertainment, Inc.
450SXResults
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | 18 J・ローレンス | Team Honda HRC | Honda | 21:26.701 | |
2位 | 96 H・ローレンス | Team Honda HRC | Honda | +01.802 | |
3位 | 21 J・アンダーソン | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | +05.404 | |
4位 | 51 J・バーシア | Troy Lee Designs Red Bull | GASGAS | +12.175 | |
5位 | 2 C・ウェブ | Monster Energy Star Racing | Yamaha | +22.017 | |
6位 | 32 J・クーパー | Monster Energy Star Racing | Yamaha | +22.433 |
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