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450SX
プレシンガーが450SX初優勝を遂げランキング首位!
スナップドラゴン・スタジアムに会場を移して2年目となる、新時代のサンディエゴSX。郊外のミッションバレーにある州立大学のフットボール用施設は、老朽化したクアルコム・スタジアム(旧称ジャック・マーフィー・スタジアム)に代わって、2022年に開業したばかりだ。ダウンタウンのペトコ・パークも魅力的な球場だったが、パドックスペースの広さではこの新会場にはかなわない。キャパシティは約34,000人と小さめだが、今回のチケットは完売となった。
シリーズ序盤に多い野球場とは異なり、長方形のフィールドを生かしたレイアウトは、連続ジャンプやフープスの長さが特徴。かつてUSGPが行われた名門コース、カールズバッドの近くから取り寄せた土は、カリフォルニアの陽光を受けてハードパックになっていた。ところが、ドライコンディションだったのは金曜まで。土曜のフリー走行が終わる頃には雲行きが怪しくなり、タイムクオリファイの開始と同時に雨が降り出した。これを受けて2回目のセッションが中止され、1回目のタイムが採用された。
ポールポジションをゲットしたのは、250SX=ジョーダン・スミス(ヤマハ)50秒931、450SX=ケン・ロクスン(スズキ)52秒027。硬質だった路面が降雨で刻々と滑りやすくなっていったため、後からコースインした450SXの方が不利だった。イブニングプログラムは、雨が止んだものの重たいマディと化したコンディションで実施された。今大会はレトロがテーマに掲げられ、各チームのマシンには懐かしいグラフィックデザインが施されていたが、せっかくの演出も泥で台無しになってしまった。
450SXのメインレース(20分+1周)、右に曲がる1コーナーを先頭で立ち上がったのは、ジャスティン・クーパー(ヤマハ)だった。その先に控えるリズムセクションでは、チェイス・セクストン(KTM)とマルコム・スチュワート(ハスクバーナ)が転倒。波乱含みの幕開けとなった。オープニングラップのオーダーは、リーダーとなったロクスン、ジャスティン・バーシア(ガスガス)、アーロン・プレシンガー(KTM)、そしてクーパーは2周目にクラッシュ。レッドナンバープレートのセクストンは、21位から追い上げるハンディを負った。
トップグループの中で最も勢いがあるのは、マディを得意とするプレシンガーだった。4周目にバーシアをかわすと、ロクスンの背後につきマージンを削り取る。8周目にはロクスンが転倒によって自滅し、プレシンガーがトップに躍り出た。その後2位には、スタート5位だったクーパー・ウェブ(ヤマハ)が浮上する。一時は1.9秒差まで迫ったが、ミスをきっかけにやや後退。周遅れの出現によって一進一退のトップ争いが続いたが、プレシンガーが逃げ切って450SXキャリア初優勝を遂げた。レース後半は、ジェイソン・アンダーソン(カワサキ)とジェット・ローレンス(ホンダ)が、息詰まるバトルを繰り広げたが、ラスト4周で前に出たローレンスが4位に入賞した。
Photo: Feld Entertainment, Inc.
450SXResults
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | 7 A・プレシンガー | Red Bull KTM | KTM | 21:32.978 | |
2位 | 2 C・ウェブ | Monster Energy Star Racing | Yamaha | +02.188 | |
3位 | 51 J・バーシア | Troy Lee Designs Red Bull | GASGAS | +22.099 | |
4位 | 18 J・ローレンス | Team Honda HRC | Honda | +37.164 | |
5位 | 21 J・アンダーソン | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | +42.230 | |
6位 | 14 D・フェランディス | Phoenix Racing | Honda | +44.447 |
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