第17戦　ユタ州ソルトレイクシティ

スーパークロス最終戦の見どころの一つとして、各クラスのタイトル争いがある。450SXはクーパー・ウェブ（ヤマハ）がチェイス・セクストン（KTM）に対し、9ポイントリードで今大会に臨んでいる。250SXウエストは前戦デンバーで、ヘイドン・ディーガン（ヤマハ）がチャンピオンに決定。残る250SXイーストでは、トム・ビアル（KTM）、1点差のセス・ハメイカー（カワサキ）、さらに2点差のRJ・ハンプシャー（ハスクバーナ）が三つ巴の状況だったが、今大会はイースト／ウエスト混走によるショーダウンが行われるので、激戦になることは必至だった。
　今週前半は天気がはっきりしなかったが、木曜からは晴天続きで、レース当日は摂氏30度を超える暑さとなった。ライスエクルズ・スタジアムは、ユニバーシティ・オブ・ユタ構内にある競技場。決して広くはないフィールドに敷き詰められた土は、乾くとハードパックになったが、散水量が多かったヘアピンコーナーには轍が刻まれた。
　昼間に行われたクオリファイングセッションでは、ジャンプ着地点でコール・デイビース（ヤマハ）にジョーダン・スミス（トライアンフ）が追突するアクシデントが発生した。ポールポジションを獲得したのは、450SX＝46秒764＝セクストン、250SX＝47秒035＝ジュリアン・ボーメア（KTM）だった。
　450SXのメインレース（20分＋1周）は、アーロン・プレシンガー（KTM）のホールショットで始まった。1周目にはウェブがトップ、2周目にはセクストンが2位に浮上し、チャンピオンシップ争いの構図が整う。セカンドグループには、シェイン・マケラス（ホンダ）、ジャスティン・クーパー（ヤマハ）、ジョーイ・サバッチー（ホンダ）、マルコム・スチュワート（ハスクバーナ）が控えていた。
　5周目にセクストンがリーダーとなったが、ウェブは無理な追走は試みず、2位のポジションをキープした。ハーフウェイマークが示される頃には、セクストンの独走態勢が固まる一方、ウェブ、クーパー、スチュワートが接近。残り5分を切ると、スチュワートとクーパーにかわされたウェブは、4位（5位以上でタイトル確定）に定着した。終盤はバトルのないまま27周でチェッカーとなり、セクストン、スチュワート、クーパーがフィニッシュ。4位でゴールしたウェブは、自身3度目となる450SXチャンピオンの座に就いた。
　ウェブのタイトル獲得によって、ダンロップはAMAスーパークロスの全クラス（450SX、250SXイースト、250SXウエスト）において、シリーズタイトル16連覇を達成した。
Photo: Feld Entertainment, Inc.

250SXのメインレース（15分＋1周）では、ディーガン（1W）、ビアル（1E）が好スタートを決め、東西のナンバーワンがトップを占める形になった。リードを広げるディーガンに対し、ビアルはペースが上がらず徐々に後退。レース中盤にはボーメア、ハメイカー、さらにスタート14位から追い上げてきたハンプシャーにも先行を許した。
　終盤になると、ハメイカーとボーメアが抜きつ抜かれつのバトルを展開。その後、2位に上がったハメイカーにハンプシャーがアタックして両者転倒。その脇をすり抜けたビアルが、ディーガン、ボーメアに続いて3位をゲット。最終ラップにはビアルを猛追するハメイカーが、0.8秒差まで迫ったが届かず。250SXイーストは、ビアルがタイトル防衛を果たした。
　ダンロップはAMAスーパークロスの全クラス（450SX、250SXイースト、250SXウエスト）において、シリーズタイトル16連覇を達成している。
Photo: Feld Entertainment, Inc.