SMXワールドチャンピオンシップは、AMA選手権のレギュラーシーズン後に設けられた、3戦からなるプレイオフ。スーパークロスとアウトドアのクロスオーバー的なシリーズで、一昨年来スピードウェイでの開催が多かったが、インドアスタジアムで実施されるのは今回が初めてだ。先週は雷雨でモト2が中止となったが、屋内であれば荒天に対する心配は無用だ。
第2戦セントルイスの会場、ザ・ドーム・アット・アメリカズセンターは、1996年以来スーパークロスを開催してきた歴史がある競技場だが、今回は可動式観客席を畳んでフロア面積を広げ、通常とは趣の異なるSMX用のレイアウトが実現した。スタンド下の通路も利用して長さを確保し、アウトドア的にアレンジされたコースには、フープスなどのトリッキーなセクションがない。広いサンドコーナーには、400トンの砂が運び込まれた。セントルイスのコース作りに用いられる粘土は、粒子の細かさと適度な湿り気がライダーから好まれているのだが、今回は3~4月のSX開催時とは季節が異なるため乾いた土の硬化が早く、パウダー状の路面が増えた。
クオリファイングセッションで最速だったのは、450=1分09秒703=ジェット・ローレンス(ホンダ)、250=1分12秒069=ヘイドン・ディーガン(ヤマハ)。両クラスともディフェンディングチャンピオンであり、ポイントリーダーでもあることを示す、レッドプレートにイエローのナンバー1が、ポールポジションを獲得した。
SMXのレースフォーマットは、20分+1周×2モト制で、ポイントは総合結果に対して付与される。第1戦は総合1位=25、2位=22、3位=20…というスケールだったが、今大会第2戦ではダブルポイント(50、44、40…)、次週最終戦はトリプルポイント(75、66、60…)になる。
450SMXのモト1は、ハンター・ローレンス(ホンダ)のホールショットで始まった。対照的にスタートに失敗したJ・ローレンスは、1コーナー立ち上がりで21位と出遅れた。H・ローレンスの背後には、ケン・ロクスン(スズキ)、イーライ・トマック(ヤマハ)、クーパー・ウェブ(ヤマハ)が続く。8周目にはチェイス・セクストン(KTM)が4位、13周目にはJ・ローレンスが4位と入れ替わったが、猛追撃もここまで。7秒リードの独走でトップチェッカーを受けたH・ローレンスに続き、ロクスン、トマック、J・ローレンスが僅差でゴールした。
450SMXのモト2では、J・ローレンスがホールショットを獲り、トマック、H・ローレンス、セクストンが続いた。広いコースではあるが、ハイスピードで抜きどころが少なく、トップグループにポジション変動がないままフィニッシュ。オーバーオールは昨年の第2戦に続き、H・ローレンスが物にした。
今大会の総合成績に対して付与されるダブルポイントは、1位H・ローレンス(1位/3位)に50点、2位J・ローレンス(4位/1位)に44点、3位トマック(3位/2位)に40点。シリーズランキングでは、J・ローレンス=91(22+25+44)が、H・ローレンス=85(17+18+50)をリードしている。
Photo: Feld Motor Sports, Inc.