アメリカのスポーツ界にはポストシーズンがあり、短期決戦で真の王者を決める仕組みが定着している。その演出を応用したのが、創設4年目となるSMX(スーパーモトクロス)ワールドチャンピオンシップだ。AMAスーパークロス17戦とAMAプロモトクロス11戦のシリーズポイント合算により、各クラス20位までのライダーにシード権とアドバンテージポイント(25、22、20、18…)が与えられ、ワイルドカード枠を加えた22台がスタートラインに並ぶ。
SMXのレースフォーマットは、20分+1周×2モト制で、ポイントは総合リザルトに対して付与される。総合1位=25、2位=22、3位=20、4位=18…というプランだが、これは第1戦のみの設定。第2戦はダブルポイント(50、44、40、36…)、第3戦はトリプルポイント(75、66、60、54…)になるので、タイトル争いが白熱することは必至だ。
今シーズンの日程は、ここコロンバスを皮切りに第2戦ロサンジェルス、最終戦リッジデールが組まれている。昨年まではアウトドアの要素を取り入れた高速コースにするため、ドラッグレース場が開催地となるケースが多かったが、今年はスーパークロス寄りのレイアウトに回帰したようだ。コロンバスのヒストリック・クルー・スタジアムは、アメリカで最初に建設されたサッカー専用競技場で、フィールド内にコンパクトにまとめられたコースでありながら、アウトドア的なハイスピードセクションも盛り込まれた。
450SMXで3連覇を果たしたジェット・ローレンス(ホンダ)は、かねてより傷めていた足首を治療するため、今回はプレイオフへの出場を見合わせた。一方、250SMXディフェンディングチャンピオンの下田丈(ホンダ)は、レギュラーシーズン中の鎖骨骨折により戦列を離れていたが、今大会から復帰して#1プレート(パープル/イエロー)を装着したマシンを駆る。
昨年シャーロットで行われたプレイオフ第1戦は、雷雨でモト2がキャンセルされたが、今大会は午前中から雷交じりの雨に見舞われ、タイムスケジュールの変更を余儀なくされた。午後3時からのレースは、マディコンディションを鑑み、モト1が15分+1周、モト2は12分+1周に短縮された。
450SMXのモト1は、ホルヘ・プラード(KTM)のホールショットで始まった。2位につけたアーロン・プレシンガー(KTM)が転倒し、1周目のコントロールラインでは、ヘイドン・ディーガン(ヤマハ)、ジョーイ・サバッチー(ホンダ)、ケン・ロクスン(スズキ)がセカンドグループとなる。2周目にはディーガンがリーダーとなり、その後ロクスンが2位に浮上。トップ争いはこの2台に絞られたが、独走態勢に持ち込んだディーガンが、17秒差をつけてモトウィンを手中に収めた。
450SMXのモト2は、ホールショットのディーガンにロクスン、プラードが続き、モト1のリザルトと同じオーダーで始まった。AMAプロモトクロスで初タイトルを獲得し、注目されていたハンター・ローレンス(ホンダ)はスタート17位。2周目からはクーパー・ウェブ(ヤマハ)が3位に上がり、レースは1~2位と3~4位争いに二分化される。中盤からはディーガンのリードが広がり、ロクスンを振り切ってトップフィニッシュ。3位争いは接戦を制したウェブが物にした。
総合優勝ディーガン(1位/1位)、ロクスン(2位/2位)、プラード(3位/4位)がポディアムに登壇した。スタート前の持ち点と今回のポイントを合算したランキングは1位プラード=42(22+20)、2位ディーガン=40(15+25)、3位ウェブ=38(20+18)となっている。
Photo: Feld Motor Sports, Inc.