2019年5月8日
DUNLOPサーキットステーション2019 鈴鹿サーキット開催レポート

新しく令和年号となった5月。その10連休明けにあたる8日の水曜日に、本年度最初のDUNLOPサーキットステーションを鈴鹿サーキットにて、DUNLOPタイヤ装着者のみのDUNLOP DAYとして開催致しました。
今回のエントリー数は、連休明けにも関わらず200名超えのご参加となりました事を、いつもながら本当に御礼申し上げます。
当日の天候はとても良くて、絶好の走行会日和にて開催出来たことを嬉しく思います。

朝は8時30分からの受付時間を少し早めて開始して行き、続いて車検のほうも開始して行きました。車検は、走行に適する車両なのかを確認するのですが、特に各ボルトなどの締め付けはもちろん、足回りで皆様に1つ確認して頂きたいのは、チェーンの張り具合です。バイクの構造上、スイングアームがピボットを中心に動く以上、そのピボットとリアアクスルシャフトの間は円を描くように動きます。
通常、スイングアームは水平でなく、少し下がっており、車体がストロークすると、スイングアームは水平に近い位置になります。中心のピボットにドライブスプロケットがあるなら、半径は円のどこでも同じ距離なのですが、ドライブスプロケットはエンジン部分にある為、ストロークするに従ってリヤアクスルとドライブチェーンとの距離が離れて、チェーンは張る方向になってしまいます。この位置がバイクによって変わっている為に、どの車種でも一定の張り具合(チェーンの遊び)とはなりません。チェーンを張りすぎると、サスペンションがストロークする前にチェーンが張って、その負担がタイヤに掛かり、どんなグリップの良いタイヤでも滑ってしまう状況になってしまいます。ですからトラクションなどかかるはずがありません。つまりチェーンの張り具合は、サスペンションのセッティングを左右してしまうぐらい重要なのです。チェーンの張り具合により、サスペンションと共にアンチスクワット効果も最大限発揮させることができ、同じタイヤでもグリップ感を増すことが出来ます。タイヤの内圧を気にされる方は多いのですが、このチェーンの張り具合を気にされる方は全くと言っても良い程おられません。一般使用では許容範囲内であれば全くOKなのですが、目的に応じた微調整も気にしてほしいと、個人的に思っております。バイクは、身長や体重、ライディングの技術などにより、「これイコールこの答え。」とはならないのが魅力の一つでもあります。2人がサーキットで同じバイクを、ほとんど同じ速いラップタイムで走っていても、A選手とB選手のセッティングは、タイヤの内圧セッティングにしても違う事が多くあります。みんな同じではないのです。上手い方のセッティングは参考にするには良いけれど、情報だけでなく「自分が乗ってどう感じるのか? 解らない事も大事な答え。」を、もっと大切にしてほしいと、セッティングを気にされる最近の皆さんを見ていて感じました。

さて、話は戻りますが、こんなマシン開発や基本構造に関する話が得意なお二人が、今回このDUNLOPサーキットステーションに参加されました。河崎裕之氏と木下恵司氏です。河崎氏は世界チャンピオンとなった2メーカーの車両、スズキでRG500γ、そしてヤマハでYZR500の開発を担われ、木下氏はヤマハとHRCのエースライダーとして活躍されました。 そういった皆様が、このDUNLOPサーキットステーションにご参加して頂けることも嬉しい限りです。

今回は、皆様に是非知って頂きたい足回りの話が長くなった為、イベントの状況は詳細にお伝えできませんでしたが、今回はゲストに上田昇氏もご参加頂いて、また、200名以上の参加者がおられながら、転倒などで走行を中断する事も全く無く、スケジュール通りに無事に楽しく終了致しました。これを皮切りに今年も全国で開催して行くDUNLOPサーキットステーション。
次回開催の6月9日のツインリンクもてぎのほうは定員となっておりますが、9月7日(土)のスポーツランドSUGO、そして同じく29日(日)のオートポリス、10月15日(火)の筑波サーキットと開催致しますので、ご友人などとご一緒に楽しみにご参加頂けたらと思います。
今回ご参加頂きました皆様、安全に走行して頂き、ありがとうございました。

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