全日本トライアル選手権シリーズの第3戦もてぎ大会が、2025年6月8日(日)に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された。最高峰の国際A級スーパークラスでは、ダンロップのGEOMAX TRIAL TL01を履くライダーたちが、シーズン序盤からし烈な戦いを繰り広げ、開幕戦ではディフェンディングチャンピオンの小川友幸選手(#1)が優勝。しかし第2戦では、小川選手が6位に甘んじ、ヤマハの電動トライアルバイクを駆る氏川政哉選手(#3)が勝利を収めた。同じくヤマハ電動に乗る黒山健一選手(#2)は、2戦連続で2位を獲得。ランキングトップの氏川選手から同3番手の小川選手までは6点差で、この第3戦もてぎ大会を迎えた。

 今大会の国際A級スーパークラスは、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名がより難易度の高いふたつのスペシャルセクション(SS)に挑む方式を採用。勝負は、クリーン(減点0)が困難な難易度の高いセクションを、いかに少ない減点で走破するかがカギを握った。また、今年からの新ルールで認められたループ(ラインクロス)などの走り方を生かした、各選手の攻略法も見どころとなった。

競技の1ラップ目は、黒山選手が減点18でトップに立ち、小川選手が僅か1点差の減点19で迫る緊迫した状態。その後ろには減点22の野崎史高選手(#8)、減点25の柴田暁選手(#6)、減点30の氏川選手らが続く接戦だった。 2ラップ目は、黒山選手がさらに調子を上げて減点10をマーク。氏川選手が減点15で追い上げる一方、小川選手は減点20となった。さらに減点22の小川毅士選手(#4)や減点23の野崎選手、減点28の久岡孝二選手(#9)らが続いた。

 そして1ラップ目と2ラップ目の合計では、黒山選手が28点でトップを独走。2番手の小川友幸選手は11点差の39点となり、SS突入を待たずして黒山選手の優勝が決まった。SSでは、小川友幸選手がふたつともクリーンを決め、2位を獲得。ともに2ラップ合計で減点45だった野崎選手(クリーン数は8)と氏川選手(クリーン数は7)も、SSはふたつともクリーンで、順位は変わらず野崎選手が3位、氏川選手が4位となった。5位争いも1点差の接戦となったが、両者ともにSSで減点2を加え、柴田選手が5位、小川毅士選手が6位となった。今大会の結果、ポイントランキングでは黒山選手がトップに立っている。

黒山健一選手のコメント

「やっと勝てました! 5月中旬の世界選手権・日本グランプリ、その前に参戦した全日本の大分・玖珠大会も、自分としては本当にいい走りができていたので、これで勝てなかったら一生勝てないかもしれないと思うようなときもちょっとありました。でも今日はようやく、自分の走りを結果につなげることができました。勝てそうで勝てない試合が続いていたうっ憤を晴らすような、最高の走りができたと思います。これで僕としては、全日本3戦と世界選手権の2日間を合わせた5戦のシーズン前半戦が終わり、7月からは後半戦として全日本の第4~8戦に挑みます。勝ったからといってこれで終わりではなく、僕の中ではここがスタート地点。これからも引き続き、応援よろしくお願いします!」

小川友幸選手のコメント

「足のケガはまだ全然完治してなくて、かなり厳しい状況。本当に最低限の練習やトレーニングだけで挑んだ大会でした。でもチャンピオンシップのことを考えたら、少しでもポイントを稼いでおかなければいけないので、結果として今日は2位でとてもラッキーです。とはいえ自分のミスがあって黒山選手に離されてしまい、SSに入る前に順位が決まってしまったので、そこはちょっと残念。黒山選手は勝負どころをしっかり押さえており、全然ミスする感じがなかったし、今日は『黒山デー』だったかなという気がします。ポイントランキングでは、黒山選手には少し離されましたが、氏川選手には追いつきました。まだ3戦が終わっただけなので、できる限りのことをやって諦めずにいきたいと思います」


国際A級スーパークラスResult

順位 NO. 選手名 チーム メーカー ポイント 総減点 クリーン数
1位 2 黒山健一 Yamaha Factory Racing Team Yamaha 0 29 12 Dunlop ユーザー
2位 1 小川友幸 TEAM MITANI Honda Honda 0 39 11 Dunlop ユーザー
3位 8 野崎史高 Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA Yamaha 0 45 10 Dunlop ユーザー
4位 3 氏川政哉 Yamaha Factory Racing Team Yamaha 0 45 9 Dunlop ユーザー
5位 6 柴田 暁  TEAM TRRS&NILS OIL TRRS 0 59 4 Dunlop ユーザー
6位 4 小川毅士 Wise Beta Racing Beta 0 60 6 Dunlop ユーザー

ポイントランキング

順位 NO. 選手名 チーム メーカー ポイント
1位 2 黒山健一 Yamaha Factory Racing Team Yamaha 65 Dunlop ユーザー
2位 1 小川友幸 TEAM MITANI Honda Honda 55 Dunlop ユーザー
3位 3 氏川政哉 Yamaha Factory Racing Team Yamaha 54 Dunlop ユーザー
4位 8 野崎史高 Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA Yamaha 40 Dunlop ユーザー
5位 4 小川毅士 Wise Beta Racing Beta 34 Dunlop ユーザー
6位 9 久岡孝二 HRCクラブMITANI Honda 31 Dunlop ユーザー