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予選

BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが9位 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWはSSTクラス3位につける

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2020年よりコロナ禍で中止されていた鈴鹿8耐が、3年振りに戻って来た。チームスタッフ、関係者などに万全の感染対策が行われ、限界体制の中での開催となった。
それでもコロナ感染で欠場したライダーが出るなど、不安な中で大会は始まった。
ダンロップ・ユーザーは、世界耐久選手権のチーム、全日本選手権に出場している選手を中心に組まれたチームがエントリーした。
世界耐久選手権からは、今年のスパ24時間で優勝したBMWのワークス・チーム、No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM。ライダーは、ドイツのスーパーバイク・チャンピオンを獲得している、M・レイターバーガー選手。ウクライナ人としてドイツのスーパーバイクのタイトルを獲得しているI・ミカルキク選手、世界耐久のタイトルを獲得している耐久のスペシャリスト、J・グラハニ。
また、No.11 WEBIKE SRC KAWASAKI Franceも経験豊富なライダーで臨んでいる。
元GPライダーのR・デュプニエ選手、世界耐久タイトルの獲得した経験のあるE・マッソン選手、スーパーバイク、Moto2、スーパースポーツと経験豊富なF・マリノ選手の3人。
全日本勢としては、No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW、No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingなどが、市販車ベースで改造範囲の狭いスーパーストック(SST)クラスにエントリー。
2019年にスーパーストックのクラス優勝しているNo.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWは、JSB1000に参戦するベテラン星野知也選手、ST1000クラスの石塚健選手に、JSB1000に参戦中の中冨伸一選手が加わった。
No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingは、50歳のベテラン寺本幸司選手、青木宣篤選手に、津田一磨選手。元GPライダーの青木選手は今回が引退レースとなる。津田選手は、ST1000に参戦している津田拓也選手の弟。
また、No.60 Honda Hamamatsu ESCARGO RTは20代の若い3人、中島元気選手、羽根巧選手、酒井隆嗣選手が参戦した。
全45チームが参戦し、16チームがダンロップ・タイヤを装着して決勝に臨んだ。

公式予選は5日(金)に行われた。朝から曇り空で、天候悪化が心配される中で、公式予選は行われた。
No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは、レイターバーガー選手が2分6秒963を記録して、総合6位。土曜日に行われるトップ10トライアルへと駒を進めた。
No.11 WEBIKE SRC KAWASAKI Franceは、デュプニエ選手が2分8秒135を出して12位。
全日本勢では、No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWが総合17位/SSTクラス3位。
No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingは総合26位/SSTクラス5位、No.60 Honda Hamamatsu ESCARGO RTは総合32位につけた。

翌土曜日も不安定な天気となる。フリー走行では転倒車が相次ぎ、走行時間が短くなってしまう。その後のトップ10トライアルは、天候の悪化が予想されたために、計時予選となった。No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは無理なアタックをせず、セッティング調整に専念すると9番手グリッドを獲得した。

コメント

予選9位 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM
M・レイターバーガー選手
「トップ10トライアルは計時予選となった。マシンの調整をしていたので、十分なタイムアタックはできなかった。それでも9番手になった。天候が心配だけど、決勝ではいつもどおり全力で8時間を戦います」

予選17位/SSTクラス3位 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW
星野知也選手
「ケガ(鎖骨、肋骨の骨折)の回復が遅れていたが、できることをやってきた。僕らのチームは、ピット作業も速いのでいけると思います。僕は8耐6回目。明日、天気が荒れたら、逆にチャンスだと思っています。うちのチームのやり方で走って、クラス2連覇を狙います」 

石塚健選手
「先輩のおふたりがいいマシンを作ってくださって、僕がタイムを出すだけという感じです。今日は自己ベストが出て、アベレージ・タイムもいい感じで出せています。8耐は6回目だけど、3年振りなので、いろいろ走り方とか思い出しながらやっています」

中冨伸一選手
「準備は順調にできたと思います。僕の予選のときは2回とも雨が降ってきて大変だった。いつもと違うマシンに乗っていますが、問題ないです。今回はチームがSSTのクラス優勝するために出ているので少しプレッシャーはありますが、自分の役割をしっかり果たしたいと思います」

予選26位/SSTクラス5位 TERAMOTO@J-TRIP Racing
寺本幸司選手
「8耐ウィークはずっとタイムが伸び悩んでましたが、予選は頑張りました。青木宣篤選手、津田一磨選手とのコンビもいい感じで、順調に進んでいます! 8耐決勝はチーム一丸となって全力を尽くしてがんばります。」


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決勝

WEBIKE SRC KAWASAKI Franceが転倒しながらも追い上げて15位 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWがスーパーストッククラス3位を獲得

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<レース前半>

セーフティ・カーが2度入る波乱の中、アクシデントが多発

午前11時半、気温27度、晴天の中でスタートが切られた。全車ルマン式でスタートしたが、11時34分、2周目に上位陣で転倒が発生。すぐにセーフティ・カーが入る。

このとき、No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは5位、No.11 WEBIKE SRC KAWASAKI Franceは6位と好位置につけていた。

No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWは16位/SSTクラス3位につける。実は、No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWの星野選手は金曜日の夜間走行で転倒し、再びろっ骨を骨折。走行困難となったために、石塚選手、中冨選手のふたりで8時間を走ることになっていた。
また、No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingは25位/SSTクラス5位につけていた。

11時52分に再スタート。その直後、No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMはスタート・ライダーのミカルキク選手が1コーナーでオーバーランすると13位にポジション・ダウンしてしまう。

14周目、No.11 WEBIKE SRC KAWASAKI Franceのデュプニエ選手がデグナーで転倒し、再スタートしてピットへ。約7分ですばやくマシンを修復すると、40位でレースに復帰する。

No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingは、14周目にシケインで転倒するがすぐに再スタート。24位/SSTクラス7位につけていく。
No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWは17位/SSTクラス4位に付けていたが、午後1時前、32周目に第2ライダーの中冨選手の走行中に電気系トラブルのために予定外のピット・イン。約7分を費やすと、36位/クラス8位に後退してしまう。
 
13時48分にデグナーで転倒車から煙が出て、2度目のセーフティ・カーが入る。
No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは7位、No.11 WEBIKE SRC KAWASAKI Franceは27位。
No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingは21位/SSTクラス3位、No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWは30位/SSTクラス6位につける。

そして、前半4時間を経過しようとしている午後3時14分、9位につけていたNo.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMはミカルキク選手が走っているときにエンジン・トラブルが発生してスロー走行。なんとかピットへと戻る。

一方、No.11 WEBIKE SRC KAWASAKI Franceは、序盤のアクシデントから、着実に挽回すると19位。
No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingは17位/SSTクラス3位、No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWも21位/SSTクラス4位に追い上げる。No.60 Honda Hamamatsu ESCARGO RTは18位につけている。

<レース後半>

3度目のセーフティ・カー介入 
WEBIKE SRC KAWASAKI France、TONE RT SYNCEDGE4413 BMWとも見事な追い上げを披露

転倒してピットに戻ったNo.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは、エンジン・トラブルのために、午後4時すぎに無念のリタイアを決めた。
一方、No.11 WEBIKE SRC KAWASAKI Franceは、粘り強い走りを続けると、19位に挽回。No.60 Honda Hamamatsu ESCARGO RTは17位つける。

スーパースポーツクラスの戦いでは、No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingが総合18位/SST
クラス3位、No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWが総合19位/SSTクラス4位につけていく。

レース後半に入ると、No.11 WEBIKE SRC KAWASAKI Franceは、耐久チームらしい強さを発揮。着実に追い上げていくと、No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW、No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingなどを抜き去り、16位に追い上げる。

No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWもまた、着実に順位を上げていく。レース終盤、午後6時頃、石塚選手はスーパースポーツクラスのライバル、No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingの寺本選手を抜くと17位/SSTクラス3位に上がる。

そして、残り1時間となった6時32分に、スプーン・カーブで2台が転倒すると、3度目のセーフティ・カーが入る。
6時49分に再スタート。日が傾き、サーキットは夕闇につつまれはじめ、7時半のゴールを目指して最後の戦いが展開されていった。
No.11 WEBIKE SRC KAWASAKI Franceは、No.60 Honda Hamamatsu ESCARGO RTを抜くと15位に上がる。

No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWは、残り約30分となったところで中冨選手からアンカーの石塚選手に交代。ピット・インとセーフティ・カーの登場で、再びNo.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWはSSTクラス4位に後退する。
石塚選手は、SSTクラス3位のNo.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingのアンカー津田一磨選手を追いかけていく。
石塚選手は夜間走行という難しい状況の中、最後まで諦めずに津田選手を猛追。残り2周というところで、津田選手を抜き去り、SSTクラス3位に浮上する。

午後7時半、チェッカーが出されレースは終了。No.11 WEBIKE SRC KAWASAKI Franceは15位でチェッカーを受ける。
No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWは、総合17位/STTクラス3位を獲得。
No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingは総合18位/STTクラス4位。
また、No.60 Honda Hamamatsu ESCARGO RTは19位となった。

コメント

総合15位 No.11 WEBIKE SRC KAWASAKI France
R・デュプニエ選手
「鈴鹿8耐はいつもタフなレースになる。序盤に転倒があって、遅れをとってしまったが、スタッフがマシンを直してくれた、追い上げていった。15位は満足できる結果ではないが、40位にまで後退していたから悪くないと思う」

総合17位/SSTクラス3位 No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW
星野知也選手
「ケガしてしまって何もできなかったので、本当に2人には感謝しています。僕がケガで出られなくなったときに、2人が僕を表彰台に連れて行きますと言ってくれて、本当にうれしかった。走れなかったけど、2人をバック・アップしていました。石塚選手、中冨選手が本当にがんばってくれました。最後の最後で、石塚選手が追い上げてクラス3位に上がったときは感動しました。来月のボルドール24時間に出る予定なので、そのときまで体調を整えます」

石塚健選手
「僕が5回走った。電装系のトラブルがあって一気に落ちてしまって、追い上げのレースとなってしまった。クラス1位のカワサキまでは見えなかったが、3位以内は見えていた。セーフティ・カーが入る前は2位になっていたが、もう一度ピット・インがあって、4位になってしまって。最後はフルでがんばって、チェッカー直前で抜いてクラス3位になりました」

中冨伸一選手
「最後まで諦めずに走っていった。マシン・トラブルや、星野さんのケガがあったけど、2人でがんばろうということで戦った。(石塚)健くんががんばってくれたおかげで、クラス3位になりました。このチームで走らせていただくのは初めてだったので、無事に走り終えてほっとしました」

総合18位/SSTクラス4位 No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racing
寺本幸司選手
「最初の走行で転倒してしまいバイクを乗りにくくしてしまい青木選手、津田選手には申し訳ないことをしてしまいました。でも僕らの時代のヒーローの引退レースを一緒にできたことは誇りに思います」

青木宣篤選手
「このような機会をくれたチームに感謝しています。僕は世界一幸せなライダーだと思う。今まで応援してくれて本当にありがとうございました」

リタイア No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM
M・レイターバーガー選手
「ミカルキク選手は素晴らしいスタートを切ってくれました。私も、その後本当にいい走りができたと思う。私たちは5~8位くらいで走っていった。中盤、エンジン故障でリタイアせざるを得なかったのは残念です。チームとライダーは、このレースのために本当にがんばっていたが、ゼロ・ポイントで帰らなければならない。とても残念です」


決勝Result

順位 ライダー チーム メーカー 周回数 タイム
優勝 長島哲太、高橋巧、I・レクオナ TEAM HRC HONDA 214 8:02'09.131
2位 J・レイ、A・ロウズ、R・ハスラム Kawasaki Racing Suzuka 8H KAWASAKI 213 8:02'15.180
3位 B・グレッグ、渡辺一樹 Yoshimura SERT Motul SUZUKI 212 8:03'31.961
15位 R・デュプニエ、E・マソン、F・マリノ WEBIKE SRC KAWASAKI France KAWASAKI 203 8:03'12.199 Dunlop ユーザー
17位 星野知也、石塚健、中冨伸一 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW BMW 202 8:03'22.79 Dunlop ユーザー
18位 寺本幸司、青木宣篤、津田一磨 TERAMOTO@J-TRIP Racing SUZUKI 202 8:03'54.412 Dunlop ユーザー
19位 中島元気、羽根巧、酒井隆嗣 Honda Hamamatsu ESCARGO RT HONDA 202 8:04'00.28 Dunlop ユーザー
リタイア M・レイターバーガー、I・ミカルキク、J・グラハニ BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM BMW 96 3:46'58.843 Dunlop ユーザー

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