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予選

BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは11位、TONE RT SYNCEDGE4413 BMWはNSTクラス3位につける

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2023年の鈴鹿8耐は、8月最初の週末に開催された。ダンロップ勢としては、世界耐久選手権に参戦するEWCクラスのエース、BMWファクトリーチームのNo.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM。昨年同様M・レイテルベルガー選手、I・ミカルキク選手、J・グラハニ選手でエントリー。No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは、目下、世界耐久選手権ランキング3位につけている。さらに、No.96 TEAM FRONTIER(BMW)は元GPライダー、D・ウェブ選手、A・シャー選手、A・ノロディン選手で、No.99 KM99(YAMAHA)はR・マヒアス選手、F・マリノ選手、B・マッケルス選手で参戦した。
マシンの改造範囲の狭いナショナルストッククラスには、昨年クラス3位に入ったNo.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWがエントリー。今年は全日本JSB1000に出ているベテランの星野知也選手と、ダンロップのタイヤ開発を担いながら全日本JSB1000に参戦している中冨伸一選手に、全日本選手権ST1000クラスに参戦中の21歳、綿貫舞空選手を迎えた。また、No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racing(SUZUKI)は、寺本幸司選手、佐野勝人選手、石塚健選手、No.75 Honda Hamamatsu ESCARGO & Kumamoto Racingは吉田光弘選手、小島一浩選手、中島元気選手が参戦。ダンロップ勢としては、NSTクラスに全7チームが参戦した。
4日、5日と厳しい暑さの中で予選が行われた。3人のライダーのうち、速いタイムを出した2人の平均タイムで順位が決められた。 No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは、予選でレイテルベルガー選手が転倒するアクシデントが発生。それでもレイテルベルガー選手、ミカルキク選手とも2分7秒台の好タイムを出してトップ10トライアルは進めなかったが、11番手グリッドを獲得した。No.99 KM99は23位、No.96 TEAM FRONTIERは27位につける。
NSTクラスでは、No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWが8耐ウィークから新型マシンを投入して臨んだ。予選で21歳の綿貫星野選手が130Rで転倒したが、幸いケガはなく、マシンにも大きなダメージはなかった。星野選手、中冨選手とも、2分9秒代のタイムをマークして25位。NSTクラス3位につける。No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingは28位、NSTクラス5位。No.75 Honda Hamamatsu ESCARGO & Kumamoto Racingは28位、NSTクラス8位につけた。

コメント

予選11位 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM
M・レイテルベルガー選手
「今日は予選で転倒してしまって残念だった。今、メカニックがマシンを修復しています。暑くて大変だけど、いい結果を残したいです。日本のダンロップがよくサポートしてくれて、準備を進めている。レースではトップ5、少なくともトップ10には入りたいね」

I・ミカルキク選手
「鈴鹿8耐は特別なレースです。事前のテストでは、いい準備ができた。予選ではトップ10フィニッシュを逃してしまったが、レースではできるだけ多くのポイントを取れるようにがんばります」

J・グラハニ選手
「順調にセッティングを進めている。天気がわからないけれど、とにかく焦らずに戦っていきたい。トップ10フィニッシュしたいです」

予選25位 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW
星野知也選手
「ここまで、なんとか順調に来ています。新車なので最初は少し苦労しましたが、9秒代を出せました。もう少しマシンを調整して、決勝に臨みたいですね。目標は総合のEWCクラスを含めてダンロップ勢のトップになることです。そして、NSTクラスの表彰台を狙います」

中冨伸一選手
「このチームで2年目、雰囲気もいいので順調に進めています。目標は星野さんと一緒です。あとは、本番の天候にどれだけ合わせられるかということですね」

綿貫舞空選手
「初めての8耐です。スプリントレースと違って、団体戦というところが、自分の中で難しかったです。予選では、個人の気持で予選モードに入り過ぎてしまって、転倒してしまいました。自分だけのレースじゃないので、その辺をしっかり考えて走りたいです。いつもレースしているバイクとポジションなどが違って大変なところはあるけど、与えられた仕事をしっかりこなしたいです。先輩たちのアシストができれと思います。マラソン的な長距離トレーニングをやってきたので、体力には自信あります」


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決勝

BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが欧州チーム最上位の6位を獲得 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWは苦戦を強いられる

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<レース前半>

BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは10位につける。TONE RT SYNCEDGE4413 BMWはスタート直後に転倒する

決勝当日、台風6号の接近とともに、不安定な天候が予想されていた。朝は、時折日差しもある曇り空となっていた。ところが、朝のウォーム・アップ走行でNo.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWの綿貫選手が他車にぶつけられて転倒。幸いケガはなかったが、メイン・カーは大きなダメージを受けてしまい、Tカーを調整して決勝に臨むことになった。
決勝レースは、ドライ・コンディションで午前11時30分に、全50台がスタートした。No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは1周目を10位で戻って来る。その後、マシンにマイナー・トラブルがでてしまい、スタート・ライダーのレイテルベルガー選手は一旦16位に後退する。
一方、No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWはスタート・ライダーの星野選手がスタート直後の1コーナーで転倒してピットに戻る。マシンを修復すると11時57分、中冨選手に代ってピット・アウトした。No.99 KM99は22位、No.96 TEAM FRONTIERは23位につけていたが、12時5分ころにマシン・ストップ。なんとかピットへ戻り、レースを続けることになる。
NSTクラスでは、No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingは24位NSTクラス4位、No.75 Honda Hamamatsu ESCARGO & Kumamoto Racingは26位NSTクラス6位。レース前半、No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは耐久チームらしい走りでじりじりと追い上げていく。3時間を経過した午後2時ころには10位を走行していた。No.99 KM99は15位につけていた。
一方、NSTクラスでは、No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingがクラス4位、総合23位、No.75 Honda Hamamatsu ESCARGO & Kumamoto Racingはクラス6位、総合26位を走っていた。No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWは、再スタート後、綿貫選手、星野選手と順調に走行を続け、最後尾から44位に追い上げている。No.96 TEAM FRONTIERはマシントラブルの後、再スタートして49位につける。

<レース中盤>

BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは確実に追い上げる

No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは、耐久チームらしい走りで追い上げるとNo.88 Honda Asia-Dream Racing with SHOWAを抜いて9位に上がる。午後3時ころ、No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWの星野選手がピット・イン。中冨選手に交代しようとしたが、セルモーターのトラブルでエンジンがかからず。数分タイム・ロスしたが、中冨選手が無事にコースへと復帰した。
NSTクラスでは、No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingがクラス4位につけて、前を行くNo.23 Team TATARA apriliaを追いかけていく。そして、午後4時33分、バック・ストレートで転倒のアクシデントが起きるとセーフティ・カーが入る。午後4時48分にセーフティ・カーが外れ、レースは再開される。この直後、15位につけていたNo.99 KM99は、ガス欠のためにスロー走行となってしまう。マシンを押して午後5時10分にピット・イン。給油を済ませると33位でコースへ復帰する。
心配された雨は降らず、レースは残り2時間となった。多くのチームが、転倒やガス欠などのアクシデントに見舞われる中、No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは着実に追い上げると7位に順位を上げて、安定した走行を続ける。また、No.52 TERAMOTO@J-TRIP RacingはNSTクラス4位でクラス表彰台を狙っていく。No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWは最初のアクシデントで大きく順位を下げたが、43位につけてゴールを目指していった。No.75 Honda Hamamatsu ESCARGO & Kumamoto Racingは25位、NSTクラス5位、No.96 TEAM FRONTIERは47位を走行していく。

<レース終盤>

雨が降り出す波乱の中で粘り強く走り続ける

ここまで雨は降らずにドライ・コンディションで行われたが、午後6時頃になると黒い雲が近づき、西コースから雨がぱらつき始める。午後6時10分にライト・オンのサインが出された直後、メイン・ストレートでも雨が降り始める。幸い、雨はすぐに止んだが、降ったり止んだりする難しいコンディションとなる。上位を走っていたチームが、悪路に足をすくわれてスリップ・ダウンしていくなか、No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは走り続け、一旦5位に順位を上げる。レイン・タイヤに換えたチームもあったが、No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMはスリック・タイヤのまま走行を続けた。午後6時47分に、No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは最後のピット・イン。アンカーのミカルキク選手がゴールを目指してコースに復帰する。午後7時、残り30分となった。ほぼ雨は止んでいるが、日没が近づき徐々に暗くなる難しいコンディションは続く。
No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMはピット・インしている間に7位に落ちたが、アンカーのミカルキク選手が耐久ライダーらしい無理のない走りを見せていく。ミカルキク選手は夜間走行でもミスなく走ると、午後7時半に7位でチェッカー。ヨーロッパのチームとして最上位となった。その後、2位に入ったTOHO Racingが車両規則違反で失格となり、No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは6位となった。
また、No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMWはアクシデントがあったが、最後まで諦めずに走り切り42位、NSTクラス13位でゴールした。NSTクラス表彰台をめざした、No.52 TERAMOTO@J-TRIP Racingはクラス4位、総合20位となった。
他の主なダンロップ勢は、No.75 Honda Hamamatsu ESCARGO & Kumamoto Racingが総合23位、NSTクラス5位、No.99 KM99は27位、No.96 TEAM FRONTIERは序盤のトラブルを直して走り続け、45位でチェッカーを受けたが、周回数不足で完走扱いにはならなかった。

コメント

6位 No.37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM
M・レイテルベルガー
「トップ10に入れてよかったと思う。トップ5に入ればもっとよかったが、7位はいい結果だと思う。スタートは悪くなかったが、マイナー・トラブルが出て、順位を落としてしまった。それから少しずつ追い上げていった。3人とも、いい走りができた。最後の走りのときは雨が降ってきて大変だった。ピットに戻るべきか悩んだが、ピット・ボードでスタッフとやりとりして、走り続けた。それで順位を少し上げることができた。本当にタフなレース・ウィークだったが、よい結果がでてハッピーです」

I・ミカルキク選手
「レースは本当に難しかったが、いい結果がでて、チームのみんなに感謝している。前半は暑くて大変だった。それでも3人ともいいペースで走ることができた。バイクもすごく調子よかった。今回の目標はトップ10だったからよかった。トップ5ももう少しだった」

J・グラハニ選手
「終盤、トップ5を狙えたかもしれないが、雨が降ったりでとてもリスキーな状況だった。僕らは自分たちのペースで走り続け、7位でチェッカーを受けることができた。こういう難しい状況で、ミスの出たチームもあった。ヨーロッパのチームとして最上位だし、いい結果だと思う。3人ともライダーはいい仕事ができたと思う」

42位 No.85 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW
星野知也選手
「予選で綿貫選手が転んだりというアクシデントはありましたが、意外と順調だなと思っていましたが、決勝日の朝にぶつけられて転倒したり、バタバタになってしまいました。最初に転倒してしまいましたが、走り続けられてよかったです。途中、ピット・アウトのときに、セルモーターのギアが壊れてエンジンがかからなかったこともありました。最後は雨が降ってきて難しかったですが、すぐに止むと思ったので、レイン・タイヤには変えずに走り続けました。今年はNSTクラスの表彰台を目指してやってきましたが、新車だったこともあって難しさがありました。また来年、しっかり準備して臨みたいです」

中冨伸一選手
「終わってみると8時間はあっという間ですね。トラブルはありましたが、結果としては残念でしたが、チームとして全力でやった結果なので。僕としては、なんとか役割は果たせたかなと思います。それから、タイヤの開発をしている立場として、BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが7位になったのはよかったです。日本で開発したタイヤも使用したということです。まだトップとは差がありますが、よいタイヤを作っていきたいと思います」

綿貫舞空選手
「決勝前に、2回転倒してチームに迷惑をかけてしまいました。決勝は、走り始めたら気持ちよく、ペースも良く走れました。最終的にチェッカーを受けさせていただいて、夜間走行の難しさもわかりました。本当にいい経験をさせていただきました。でも、勝ちたかったので、結果的には残念でした。今回の経験を全日本選手権に活かしていきたいです」


決勝Result

順位 ライダー チーム メーカー 周回数 タイム
優勝 長島哲太、高橋巧、X・ヴィアージ TEAM HRC with Japan Post HONDA 216 8:00'09.785
2位 名越哲平、浦本修充、埜口遥希 SDG Honda Racing HONDA 213 8:01'03.223
3位 M・ディ・メリオ、A・テシェ、T・マッケンジー F.C.C. TSR Honda France HONDA 213 8:01'16.724
6位 M・レイターバーガー、I・ミカルキク、J・グラハニ BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM BMW 212 8:00'45.983 Dunlop ユーザー
20位 寺本幸司、佐野勝人、石塚健 TERAMOTO@J-TRIP Racing SUZUKI 205 8:01'30.766 Dunlop ユーザー
23位 吉田光弘、小島一浩、中島元気 Honda Hamamatsu ESCARGO & Kumamoto Racing HONDA 203 8:02'02.707 Dunlop ユーザー
27位 L・マヒアス、F・マリノ、B・マッケルス KM99 YAMAHA 200 8:02'12.748 Dunlop ユーザー
42位 星野知也、中冨伸一、綿貫舞空 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW BMW 178 8:00'42.405 Dunlop ユーザー
45位 D・ウェブ、A・シャー、A・ノロディン TEAM FRONTIER BMW 151 8:01'38.752 Dunlop ユーザー