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MOTO2

ルティ選手が最後に逆転して、2連勝で今季4勝目

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日本GPの翌週、第16戦オーストラリア、フィリップアイランドを迎えた。
高速コースということで、ダンロップはフロントは前戦と同じソフト1、ミディアム2だが、リアにはスペシャル・ハードS2、スペシャル・ハード4077という固めのタイヤを用意した。
オーストラリアは今、初春。毎年肌寒い天候となるが、今年は初日から寒さと悪天候に悩まされた。
初日の午後は強い雨のために、Moto2の走行はキャンセルされ、2日目にフリー・プラクティス3の走行時間を延長した。
予選はドライ・コンディションで行われたが、気温10度という寒さの中での走行となり、転倒車が続出。この厳しいコンディションの中でポール・ポジションを獲得したのはもてぎのウィナー、T・ルティ選手(KALEX)。
「予選が始まったとき、すぐに雨が降ってくるだろうと思い、早いタイミングでタイムを出そうとした。結局、最後まで雨は降らず、リスクを冒す必要はなかった。風が強く、そして気温が低く、とても難しい状況だった。レースに向けてフィーリングはとてもいい。でも、セッティングは完ぺきではないので、決勝日の朝にもう一度確認したい」とルティ選手。

続いて、イタリアのベテラン、M・パシーニ選手(KALEX)がMoto2で初のフロント・ロー2位、S・ロウズ選手(KALEX)は転倒しながらも3位となった。
また、首位のJ・ザルコ選手(KALEX)は、予選で転倒して10位4列目。
ランキング2位のA・リンス選手(KALEX)は、16位6列目となる。
一方、中上貴晶選手(KALEX)は、予選中盤に転倒。12位4列目となった。「ハイサイドのような形になり、そのときにアクセルを開けて、バランスを崩して転んでしまった。肩を脱臼していたが、右肩を上げたらうまく入った。痛みはあるが、今晩しっかりケアして、明日はいいレースをしたい」と中上選手。

決勝当日は、朝から晴天。気温は低く風は強かったが、ドライ・コンディションとなった。
決勝レースは、ルティ選手のホール・ショットで始まる。
序盤はルティ選手、予選9位3列目スタートのF・モルビデッリ選手(KALEX)、パシーニ選手がトップ争いを展開。後方にはJ・フォルガー選手(KALEX)、L・バルダッサリ選手(KALEX)、リンス選手などが続く。
7周目、リンス選手は転倒し、そのままレースを終える。
レース中盤に入っても、ルティ選手、モルビデッリ選手、パシーニ選手がトップ争いを展開していく。
約2秒後方からバルダッサリ選手が4位で続き、フォルガー選手、中上選手、S・コルテス選手(KALEX)が5位争いを繰り広げる。
後半に入るとトップ3台に、バルダッサリ選手、コルテス選手、中上選手が追いついていく。
レース終盤、ルティ選手、モルビデッリ選手、パシーニ選手、コルテス選手、バルダッサリ選手の5台の戦いとなる。そして、残り3周目でパシーニ選手が転倒。バルダッサリ選手は遅れをとり、モルビデッリ選手、ルティ選手、コルテス選手の3台の戦いに。
最後はルティ選手とモルビデッリ選手のデッド・ヒートとなり、モルビデッリ選手が先行していく。
しかし、ゴール直前のストレートでルティ選手はスリップ・ストリームを使って並びかけると、僅かに前に出てチェッカー。自身初の2連勝を決め、今季4勝目を達成した。
モルビデッリ選手は惜しくも2位、コルテス選手は久々の3位表彰台をゲットした。
また、中上選手は5位に入っている。
一方、ザルコ選手は12位、リンス選手はノー・ポイントに終わったため、ルティ選手がランキング2位にあがり、首位と22点差となった。

PhotoGallery


優勝
T・ルティ選手(KALEX)

「決勝前に、ドライでちょっとだけ走った昨日のセッティングに戻したら、それが最高にうまくいった。自分のペースで走って行ったが、パシーニ選手とモルビデッリ選手がついてくるので、後ろとの差を確認していった。モルビデッリ選手は僕の弱点を知っていたが、僕は彼の弱点をあまり知らなかった。そのため、彼を先行させて後ろから彼の走りを観察した。で、最終コーナー出口で彼をパスできる方法に気付いた。次のレースではアプローチを変えます。次のマレーシアも勝てるようにがんばります」

2位
F・モルビデッリ選手(KALEX)

「今週は2度も大きな転倒をして、チームには迷惑を掛けた。でも、すばらしいレースができたのでうれしい。ルティ選手と走っていたペースは信じられないくらいよかった。彼はとても速かった。残り2周の1コーナーで彼を抜くチャンスがあり、チェッカーに向けてがんばったが逆転されてしまった。優勝はできなかったけど、厳しい週末だったし、2位はすばらしい結果だと思う。転倒した後、マシンを全力で直してくれたチームにとても感謝しています」

3位
S・コルテス選手(KALEX)

「今日はとてもいいフィーリングだった。そして、気持ちよく表彰台に立つことができた。予選は4番手。ウォームアップ3番手。全体的にいいスピードで走れていたし、トップ・グループにもついていくことができた。序盤11番手までポジションを落としたときは焦った。その遅れを取り戻すのに、けっこう時間がかかった。そのグループを抜け出してからは、なんとか中上選手に追いつき、終盤はトップ・グループにも追いつくことができた。今年はケガも多く厳しいシーズンだったが、ここ2戦はいいレースができている。この状態を次のマレーシア、最終戦のバレンシアにつなげたい」

5位
中上貴晶選手(KALEX)

「身体の状況を考えれば5位という結果は上出来だったと思う。今日は、昨日痛めた右肩をしっかりテーピングして、痛み止めも飲んでレースに挑んだ。しかし残り10周くらいから痛みが出始め、それからはとても長く感じた。そんな状態でも完走できて、トップ・グループが見える位置で最後まで走れた。身体のコンディションを考えれば満足のいく結果でした。それだけに昨日のケガが悔やまれます。ケガがなければ優勝争いに加われたと思います」


MOTO2Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 T.Luthi Garage Plus Interwetten KALEX '39.15.891 Dunlop ユーザー
2位 F.Morbidelli Estrella Galicia 0,0 Marc VDS KALEX '39.15.901 Dunlop ユーザー
3位 S.Cortese Dynavolt Intact GP KALEX '39.16.421 Dunlop ユーザー
5位 中上貴晶 IDEMITSU Honda Team Asia KALEX '39.19.706 Dunlop ユーザー

MOTO2Point

順位 選手名 チーム メーカー ポイント
1位 J.Zarco Ajo Motorsport KALEX 226 Dunlop ユーザー
2位 T.Luthi Garage Plus Interwetten KALEX 204 Dunlop ユーザー
3位 A.Rins Paginas Amarillas HP40 KALEX 201 Dunlop ユーザー

※第16戦終了時点


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MOTO3

波乱のレースで、ビンダー選手が今季6勝目

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Moto3クラスには、フロントにソフト&ミディアム、リアにミディアムM1、ハードH3を供給した。
予選は、路面コンディションがウェットからドライと変化する難しコンディションで行われた。すでにタイトルを獲得しているB・ビンダー選手(KTM)が、今季5度目のポール・ポジションを獲得。
「路面がウェットからドライになり、さらに赤旗がでる難しいコンディションだった。周りに大勢のライダーがいたけど、うまくアタックしてポールをとることができた」とビンダー選手。
続いて、F・クアタラーロ選手(KTM)、N・ブレガ選手(KTM)が2、3位に続いたが、クアタラーロ選手は、マシン規定違反で最後尾スタートに降格。代わってG・ロドリゴ選手(KTM)が3位フロント・ローとなった。
また、鈴木竜生選手(KTM)は25位、尾野弘樹選手(HONDA)は28位につけている。

決勝レースが始まると、ビンダー選手がホール・ショット。後ろからロドリゴ選手、ブレガ選手、A・ミーノ選手(KTM)などが続く。
序盤から激しいトップ争いが展開され、3周目にブレガ選手がクラッシュ。
3周目になると、トップのビンダー選手がコンマ5秒ほどリード。4周目、F・ディ・ジャンナントニオ選手(HONDA)とF・バグナイア選手(MAHINDRA)が接触して転倒する。
ビンダー選手の後方2位以下は10台が僅差で続き、鈴木選手も上位集団に加わっていく。
そして、6周目になるとミーノ選手、E・バスティアニーニ選手(HONDA)などがクラッシュし、赤旗が提示される。
5周終了の順位でグリッドに並び、10周のレースとしてやり直しとなった。
2度目のスタートが切られると、再びビンダー選手がホール・ショット。後ろから4位2列目スタートのA・ロカテリ選手(KTM)、ロドリゴ選手、J・ダニーロ選手(HONDA)、鈴木選手と続く。
中盤に向けて、ビンダー選手とA・ロカテリ選手(KTM)がトップ争い。1秒後方で、ロドリゴ選手、ダニーロ選手、鈴木選手などが接戦を演じていく。
レース終盤、ビンダー選手が約2秒のリードを奪う。ロカテリ選手は単独2位。3位争いは、10台が僅差でひしめき合う大混戦を続けていく。鈴木選手、尾野選手もこの集団の中で競り合いを続ける。
最終的に、ビンダー選手は6秒近い差をつけて、今季6勝目を達成。単独2位でロカテリ選手がチェッカー。
3位争いは最後まで僅差の戦いとなり、A・カネット選手(HONDA)がゴール直前でD・ビンダー選手(MAHINDRA)を抜き去ると初の3位表彰台をつかんだ。
また、尾野選手は8位、鈴木選手13位ポイント圏内でゴールした。

PhotoGallery


優勝
B・ビンダー選手(KTM)

「今日はスタートも決まっていいレースができた。序盤からいいペースで走れたので、最初からプッシュしていった。後続との差を広げられると分かっていた。リードができてからはリラックスして走れた。今日は、弟(D・ビンダー選手)が4位になったし、いつも以上にいい日になった」

2位
A・ロカテリ選手(KTM)

「2度目の表彰台に上がることができた。今週は、雨、強風に悩まされ、ミスもあった。でも、チームのおかげで、今朝のウォーム・アップではいい感触をつかんでいた。この後、寒いところから暑いところにいくから、また厳しいレースになると思うけど、きっと次のマレーシアでもいい結果をつかめると思う」

3位
A・カネット選手(HONDA)

「初めての表彰台なんて、信じられない気持ちです。序盤に転倒したが、その直後に赤旗が出て、ラッキーなことにグリッドに並ぶことができた。再スタート後は、気持ちを切り替えて挑み、セカンド・グループに加わることができた。最終ラップは前に出て逃げようと決めたのですが、D・ビンダー選手に抜かれた。しかし、最後にスリップ・ストリームを使って抜き返すことができた。チェッカーを受けてから、ビッグ・スクリーンの3番目に自分の名前が載っているのを見たときに涙が出た。チームと共にがんばってきたことがやっと報われたような気がした」

8位
尾野弘樹選手(HONDA)

「レース1はペースが上がらずどんどん後退してしまった。そのため、レース2はリア・タイヤをソフトにしたら、それがよかったと思う。今日はすごく転倒者が多かったのですが、運よく、その影響を受けずにポジションをキープすることができた。今日は集団のトップを狙っていたが、フィリップ・アイランドは初めて走るサーキットだったので、勝負所が分からず、8位がやっとだった」

13位
鈴木竜生選手(MAHINDRA)

「第2レースは、4番手スタートだった。混戦の中で戦いをするには厳しいセッティングだったが、ポイントを取れたし、次につながるレースはできたと思う」


MOTO3Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 B.Binder Red Bull KTM Ajo KTM '16.22.009 Dunlop ユーザー
2位 A.Locatelli Leopard Racing KTM '16.27.9946 Dunlop ユーザー
3位 A.Canet Estrella Galicia 0,0 HONDA '16.31.603 Dunlop ユーザー
8位 尾野弘樹 Honda Team Asia HONDA '16.32.124 Dunlop ユーザー
13位 鈴木竜生 CIP-Unicom Starker MAHINDRA '16.32.691 Dunlop ユーザー

MOTO3Point

順位 選手名 チーム メーカー ポイント
1位 B.Binder Red Bull KTM Ajo KTM 294 Dunlop ユーザー
2位 E.Bastianini Gresini Racing Moto3 HONDA 164 Dunlop ユーザー
3位 J.Navarro Estrella Galicia 0,0 HONDA 143 Dunlop ユーザー

※第16戦終了時点