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MOTO2

オリヴィエーラ選手が3連勝でシーズンを締めくくる

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2017シーズンの最終戦を迎えた。開催地バレンシアは、4キロのテクニカル・コース。タイヤへの負担の大きいサーキットとして知られている。
フロント・タイヤはいつものM2だが、リアにはハード4と、グリップ力を高め耐久性のある新しいタイヤ、2R1を投入した。
ドライ・コンディションで行われた予選では、A・マルケス選手(KALEX)が今季3度目のポール・ポジションを獲得した。
「今回はマシンの状態がよく、本当に力強さを感じているので、今日の予選ではそれを証明することができた。地元ファンの前で、100%の力を出し切っていい形でシーズンを終わらせたいです」とマルケス選手。
続いて前戦でタイトルを決めたF・モルビデッリ選手(KALEX)2位、M・パシーニ選手(KALEX)3位となる。
また、中上貴晶選手(KALEX)は7位3列目。
「今回はかなりセッティングに苦労している。今年になって一番セッティングを変えたと思う。だいぶよくなったが、明日の朝のウォーム・アップでさらに調整したい」と中上選手。
長島哲太選手(KALEX)は、17位につける。
「ドライ・コンディションでは、今季ベスト・グリッドなので、その点に関してはうれしいです。1周目さえうまくまとめれば、トップ10の選手たちについていけます。今季ベストを目指してがんばります」と長島選手。

決勝当日も晴天に恵まれた。
スタートが切られると、マルケス選手が好ダッシュ。後ろからモルビデッリ選手、パシーニ選手、オリヴィエーラ選手などが続く。
まずは、マルケス選手、モルビデッリ選手、パシーニ選手、オリヴィエーラ選手がトップ争いを展開。4周目、パシーニ選手が転倒してしまう。
3周目に先頭に出たモルビデッリ選手は引き離しにかかる。約1秒後方にマルケス選手、オリヴィエーラ選手、B・ビンダー選手(KTM)が続き、2位争いを繰り広げていく。
レース中盤、トップのモルビデッリ選手は約1秒半の差をつける。
2位はオリヴィエーラ選手が付け、ビンダー選手がマルケス選手を抜き去って3位に浮上する。

終盤に向けて、2位のオリヴィエーラ選手がトップを猛追し、2台の差は約1秒と詰まっていく。
20周目になるとモルビデッリ選手とオリヴィエーラ選手はテール・トゥ・ノーズ。そして22周目、オリヴィエーラ選手はモルビデッリを抜いてトップに浮上すると、すぐさま引き離しにかかる。
トップのオリヴィエーラ選手はそのままモルビデッリ選手を離していくと、2秒以上の差をつけて3連勝を達成した。
モルビデッリ選手は2位。ビンダー選手が3位に入り、3戦連続の表彰台を獲得した。
また、中上選手は7位。長島選手は中盤に転倒したが再スタートして26位でゴールした。

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優勝 M・オリヴィエーラ選手(KTM)

「夢のような最終戦だった。楽しもうという気持ちだけでバレンシアに来て、その目標を達成した。今回の結果はとてもうれしい。すべてをうまくまとめて3連勝できるとは思ってなかった。来年はもっとうまくいき、目標であるタイトル争いができると思う」

2位 F・モルビデッリ選手(KALEX)

「MotoGPクラスでの新しい章が始まる前に、バレンシアで2位を獲得してMoto2クラスを終えることができたことはよかった。レース序盤はマルケス選手といいバトルができた。オリヴィエーラ選手がレース終盤で追い上げてくると思ってたので、トップに出て差を作ろうとした。残り5周で彼と戦えるように全力を尽くしたが、今日は彼の方が速かった」

3位  B・ビンダー選手(KTM)

「スタートでギア・チェンジがうまくいかず出遅れたけど、その後追い上げていった。3戦連続で表彰台に上がれて本当にうれしい。今年は、開幕戦カタールでトップと34秒差、20位でフィニッシュというレースから始まって、少しずつ成長できた。どうやってKTMのマシンをうまく乗りこなせるかを学んで、今はほぼ完ぺきにマスターした。来年がどのような年になるか楽しみです」

7位 中上貴晶選手(KALEX)

「ウイークを通してリアのセッティングに苦しんだ。10周を終えたころからフロントが切れ込むようになり、限界を超えないギリギリのところで走り続けることになった。今週、こんなに苦労するとは思っていなかった。ともかく最後まで全力を尽くした。1年間、一緒に戦ってきたチーム、そしてスタッフに感謝しています」

26位 長島哲太選手(KALEX)

「スタートはよかったが、フル・タンクの序盤はペースを上げられなかった。徐々にフィーリングがよくなり、前を走る一桁のグループに追いついていった。その差を徐々に縮めていたが、1コーナーでギア抜けして、コントロールできずに転んでしまった。今年のシーズン前半は苦労したが、17年型KALEXに乗れた後半は徐々にいいレースができるようになり、終盤の数戦は来季につながる走りができたと思う。来年は新しいチームでスタートするが、期待に応えられるようなシーズンにしたいです」


MOTO2Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 M.Oliveira Red Bull KTM Ajo KTM '43.15.843 Dunlop ユーザー
2位 F.Morbidelli EG 0,0 Marc VDS KALEX '43.17.997 Dunlop ユーザー
3位 B.Binder Red Bull KTM Ajo KTM '43.20.024 Dunlop ユーザー
7位 中上貴晶 IDEMITSU Honda Team Asia KALEX '43.34.289 Dunlop ユーザー
26位 長島哲太 Teluru SAG Team KALEX '44.49.719 Dunlop ユーザー

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MOTO3

マルティン選手がポール・トゥ・ウィンで初優勝を決める

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Moto3クラスには、前戦と同じフロントにソフト&ミディアム、リアにソフトS1、ミディアムM1を供給した。
予選では、J・マルティン選手(HONDA)が今季9度目のポール・ポジションをゲットした。
「ここは好きなコースではないが、かなりいい状態になった。今年最後のレースで勝ちたいです」とマルティン選手。
続いて、すでにタイトルを獲得しているJ・ミル選手(HONDA)が2位、G・ロドリゴ選手(KTM)が3位となる。
鈴木竜生選手(HONDA)は自己ベストの4位。
「違うセッティングを試したら、それがうまくいった。ベスト・グリッドを獲得できてうれしいです。明日は日本GPの4位を超えるリザルトを目指します」と鈴木選手。
佐々木歩夢選手(HONDA)7位、鳥羽海渡選手(HONDA)20位となる。
「ここな好きなコースです。ベスト・グリッドを獲得できてうれしい。ベスト・リザルトでシーズンを終えたいです」佐々木選手。
鳥羽選手は「フィーリングは悪くないです。前にスペイン選手権で勝っているコースなので、ベスト・リザルトを狙います」とコメント。
また、レッドブルMotoGPルーキーズ・カップでチャンピオンを獲得したばかりの真崎一輝選手(HONDA)がワイルド・カードとして参戦して18番手につけた。
「予選ではいいグループについていけず、タイムを短縮できなかった。単独でもっとタイムを出せたと思うし、1周をしっかりまとめきれなかったのは悔しいです。明日はスタートを決めて、目標のトップ10フィニッシュを目指します」と真崎選手は語った。

決勝レースが始まると、マルティン選手がホール・ショット。後ろからロドリゴ選手、ミル選手、E・バスティアニーニ選手(HONDA)、佐々木選手、鈴木選手などが続く。
レース序盤、マルティン選手、ロドリゴ選手、ミル選手の3台がトップ集団を形成するが、3周目にロドリゴ選手が転倒してしまう。
ロドリゴ選手の転倒を避けたミル選手はコースアウトして、19位にまで後退する。
トップのマルティン選手はこのアクシデントで後続に2秒近いリードをつける。
2位争いは、J・ゲバラ選手(KTM)、バスティアニーニ選手、佐々木選手、M・ラミレス選手(KTM)、F・ディ・ジャンナントニオ選手(HONDA)、鈴木選手、真崎選手などが競り合っていくが、ディ・ジャンナントニオ選手は7周目に転倒する。

レース中盤、トップのマルティン選手は5秒近いリードを築いて独走体制。
2位争いはラミレス選手、ゲバラ選手、バスティアニーニ選手、R・フェナーティ選手(HONDA)など12台が混戦を繰り広げる。アクシデントで後退していたミル選手も、着実に順位を上げて、2位集団に加わっていく。

レース後半、マルティン選手はトップを快走。2位争いの集団は混戦を続け、ミル選手はこの集団の中で着実に順位を上げていき、残り5周で2位集団の先頭に出る。
マルティ選手はそのままトップを快走するとポール・トゥ・ウィンでは初優勝。
2位争いは最後まで大混戦となるが、ミル選手は後続を抑えきると2位でチェッカー。
ミル選手を追いかけたラミレス選手が3位表彰台をつかんだ。
また、真崎選手はデビュー戦で10位を獲得。鈴木選手と佐々木選手はレース後半で順位を落とし、鈴木選手11位、佐々木選手13位。鳥羽選手は24位となった。
佐々木選手は年間ランキング20位となり、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

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優勝 J・マルティン選手(HONDA)

「スタートから引き離したいと思っていたが、ロドリゴ選手がパスしようとしてきたので、簡単ではなかった。2秒の差がついたのが分かって、最後までプッシュし続けた。集中力を維持するのは簡単ではなかったが、今週初めてミスをひとつもしなかった。シーズン最終戦で優勝できて本当にうれしい。2週間後にはサーキットに戻り、2018年にトップに立てるようにがんばります」

2位 J・ミル選手(HONDA)

「今日はマルティン選手と戦って勝ちに行けるだけのリズムがあったので、3周目で起きたことは残念です。でも、これがレースです。Moto3最後のレースの思い出として、追い上げと、地元の観衆の応援を心に刻みたいと思う。ロッシ選手のシーズン勝利数記録には並べなかったが、ベストを尽くしました」

3位 M・ラミレス選手(KTM)

「表彰台に上がれてすごくうれしい。とにかく前のライダーをパスしようと走り続けた。限界まで攻めたけど、これ以上は無理だった。KTMの最上位ということもうれしいね」

10位 真崎一輝選手(HONDA)

「グランプリは予想していた通りの厳しい戦いでしたが、ついていくことができてよかったし、細かいテクニックなど、学ぶことは多かった。今回は目標にしていたトップ10フィニッシュができた。それ以上のリザルトを残すことが、次の課題です。とてもいい経験ができたし、来週のスペイン選手権最終戦では、この経験を活かして優勝したいです」

11位 鈴木竜生選手(HONDA)

「5、6番手までポジションを上げたところで、最終コーナーでギアが落ちなくなり、コースをはみ出てしまった。それでポジションを落としたが、それからも何回か同じような状態になり、厳しい走りとなった。しかし、2番手争いのグループでバトルができたことは大きな成果だった。トラブルがなかったらもう少し順位はよかったと思うが、予選ではベスト・グリッドを獲得できたし、来年につながるレースができたと思う。来年に向けての課題も明確になったので、ウインター・テストではしっかり克服していきたい」

13位 佐々木歩夢選手(HONDA)

「スタートはよく、中盤まで走りもよかったと思う。しかし、中盤過ぎからフロントが切れ込むようになった。なんとかコントロールして走っていたが、終盤はそのコントロールで体力を使い、フィジカル的にも厳しかった。中盤まで5、6番手でレースを戦えたのは大きな自信になった。最終的にポジションを落としたのは残念だが、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得できてうれしいです」

24位 鳥羽海渡選手(HONDA)

「スタートでミスして大きく遅れてしまった。それがすべてのレースだった。最終戦としては最悪の終わり方ですが、来年につながるレースはできたと思うので、今年得た経験を来年は活かしたい」


MOTO3Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 J.Martin Del Conca Gresini Moto HONDA '40.02.193 Dunlop ユーザー
2位 J.Mir Leopard Racing HONDA '40.05.953 Dunlop ユーザー
3位 M.Ramirez Platinum Bay Real Estate KTM '40.06.070 Dunlop ユーザー
10位 真崎一輝 Asia Talent Team HONDA '40.08.655 Dunlop ユーザー
11位 鈴木竜生 SIC58 Sauadra Corse HONDA '40.08.737 Dunlop ユーザー
13位 佐々木歩夢 SIC Racing Team HONDA '40.10.880 Dunlop ユーザー
24位 鳥羽海渡 HONDA Team Asia HONDA '40.37.923 Dunlop ユーザー