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MOTO2
首位のモルビデッリ選手が今季6勝目を決める
サマー・ブレーク前の1戦、ドイツのザクセンリンクで第9戦を迎えた。
ザクセンリンクは左コーナー10カ所、右コーナー3カ所という個性的なレイアウトで、アップダウンもあり、テクニカルなコースだ。
今回、フロントはいつものミディアム2だが、リアにはエクストラ・ハードS1、スペシャル・ハードS2という固めのリア・タイヤを用意した。
初日から、悪天候に悩まされた。予選当日も、雨が降ったりやんだりする生憎の天気となる。
ウェット・コンディションで予選は行われ、ランキング・トップに立つF・モルビデッリ選手(KALEX)が、2戦連続今季5度目のポール・ポジションを獲得する。
「最初のうち8番手だったので、厳しいと思っていた。でも、その後ウェットの中でプッシュしていいタイムを出すことができた。コンディションの変わる難しいコンディションだった」とモルビデッリ選手。
続いて、A・マルケス選手(KALEX)が2位、地元ドイツのS・コルテス選手(KALEX)が今季初のフロント・ロー3位をつかんだ。
また、長島哲太選手(KALEX)が16位。「セッション開始直後の方が路面は乾いていたが、レイン・タイヤは濡れている方がグリップがよく、リズムもよかった。もし明日がウエットだったら、いいレースをする自信がある。ドライだったら、今抱えている課題を少しでも改善できるようにしたい。いい結果を残して、鈴鹿8耐に行きたいです」と長島選手。
中上貴晶選手(KALEX)は、ドライ・コンディションでは好調だったが、ウェットではタイムを伸ばせずに25番手となってしまう。「ウエットになると、フロントのフィーリングが無く、攻められないという状況です。ドライになれば追い上げたいが、グリッドが悪いのでひとつでも多く追い上げたい」と中上選手は語った。
決勝当日、天気は回復し、サーキットに日差しが戻った。
レースがスタートすると、マルケス選手がホール・ショット。モルビデッリ選手、コルテス選手、T・ルティ選手(KALEX)などが続く。
序盤、マルケス選手、ルティ選手、モルビデッリ選手、コルテス選手の4台がトップ・グループを形成。3周目からルティ選手がレースをリードしていく。
5周目、3位につけていたマルケス選手が転倒してしまう。
この後、トップ争いはルティ選手とモルビデッリ選手が展開。8周目にモルビデッリ選手が先行するが、2台は接近戦を続ける。
3位につけていたコルテス選手は徐々に後退し、オリヴィエーラ選手が3位に上がってくる。
中盤に差し掛かった13周目、2番手のルティ選手がクラッシュ。これでモルビデッリ選手が単独トップとなる。
2番手は、オリヴィエーラ選手、3位にはS・コルシ選手(SPEED UP)が続く。地元期待のコルテス選手は後退してしまう。
後半に入ると、モルビデッリ選手と2位オリヴィエーラ選手の差がつまり、2台がトップ争いを開始する。
3位争いは、コルシ選手、F・バグナイア選手(KALEX)、M・パシーニ選手(KALEX)が競り合っていく。
レース終盤に入っても、モルビデッリ選手とオリヴィエーラ選手はテール・トゥ・ノーズ。3位争いも接近戦が続く。
残り2周となったところでオリヴィエーラ選手が前に出るが、ラスト・ラップに入ると1コーナーでモルビデッリ選手がトップを奪回。そのままオリヴィエーラ選手を抑えきると今季6勝目を決めた。
ルティ選手がノー・ポイントに終わったため、モルビデッリ選手のポイント・リードは34点に広がった。
オリヴィエーラ選手は僅差の2位となり、ランキング3位に浮上した。
続いて、ラスト2周でコルシ選手を抜き去ったバグナイア選手が、3位表彰台をつかんだ。
また、中上選手は8列目から追い上げて10位。長島選手は18位となっている。
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優勝 F・モルビデッリ選手(KALEX)
「シーズン6勝目なんて、夢を見ているような気持ちです。この夢から覚めたくないね。今日は本当に厳しいレースだった。レース中盤はペースを維持するのが大変で、オリヴィエーラ選手に追いつかれてしまった。でも、抜いていかないから、彼も厳しい状態なのかなと思った。ラスト2周で抜かれたけど、最終ラップの1コーナーで抜き返し、そのままフィニッシュできた。ラスト・ラップはうまく走れたよ」
2位 M・オリヴィエーラ選手(KTM)
「モルビデッリ選手は、ブレーキングが鋭くてなかなかパスできなかった。何度もダウン・ヒルの先の左コーナーで抜こうとして、ラスト2周でやっと抜いた。でも抜き返されてしまって、最終ラップにもう一度アタックしたが、インをしめられてしまった。今日は転倒車が多く、その結果、優勝争いがでたと思う。オランダ、ドイツと続く2連戦で表彰台に立ちたいと思っていたから、達成できてうれしい。9戦を終えて総合3位にいることが信じられない。後半もこの調子でがんばります」
3位 F・バグナイア選手(KALEX)
「長くて大変なレースだった。序盤はいい位置につけなかったが、徐々に追い上げることができた。最後はすばらしいバトルだった。コルシ選手を抜くために全力を尽くした。プッシュし続け、ラスト2周で彼の前に出られた。チームに感謝したい。今日は母の誕生日なので、母へのプレゼントになった。笑顔で夏休みを迎えられます」
10位 中上貴晶選手(KALEX)
「マシンの感触がよくなくて、思ったように走ることができなかった。ドライではもう少しいいタイムで走れると思っていたが、うまくいかなかった。とても残念です」
18位 長島哲太選手(KALEX)
「もう少しいけるかなと思っていたが、途中からギア抜けするようになり、何度か転びそうにもなった。厳しい状況になったが、ベスト・タイムを更新できたし、ベストに近いタイムで周回できたことは次につながると思います。これから鈴鹿8時間耐久ロードレースに出場します。8耐でいろいろと学び、後半戦に活かしたい。また、今年前半戦の自分の成長を鈴鹿で感じたいと思っています」
MOTO2Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | F.Morbidelli | EG 0,0 Marc VDS | KALEX | '41.05.137 | |
2位 | M.Oliveira | Red Bull KTM Ajo | KTM | '41.05.203 | |
3位 | F.Bagnaia | SKY Racing Team VR46 | KALEX | '41.05.711 | |
10位 | 中上貴晶 | IDEMITSU Honda Team Asia | KALEX | '41.24.428 | |
18位 | 長島哲太 | Teluru SAG Team | KALEX | '41.49.693 |
MOTO2Point
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | ポイント | |
1位 | F.Morbidelli | EG 0,0 Marc VDS | KALEX | 174 | |
2位 | T.Luthi | CarXpert Interwetten | KALEX | 140 | |
3位 | M.Oliveira | Red Bull KTM Ajo | KTM | 117 |
※第9戦終了時点