• 天気:晴れ
  • 気温:13度
  • 観客:36,600人

Moto2

ビンダー選手が今季3勝目を決める

  • 天気:晴れ
  • 気温:13度
  • 観客:36,600人

日本ラウンドの翌週、南半球オーストラリアのフィリップアイランドで18戦目を迎えた。
ダンロップは、フロントに前戦と同じソフト343、ミディアム2、リアにエクストラ・ハードS1、スペシャルハードS2というハード寄りのタイヤを用意した。
初日から小雨に悩まされたり、気温15度前後と肌寒いなかで走行が行われた。
予選はドライ・コンディションで行われ、ベテランのM・パシーニ選手(KALEX)が、予選終盤で転倒しながらもトップ・タイムを守り切り、今季3度目のポール・ポジションを獲得した。
「今日は風がとても強くて、難しい予選だった。セッション最後のアタックで、4コーナーでブレーキング・ミスをして転倒してしまった。それでも、その前に出したタイムでポール・ポジションを獲得することができてよかった。今回、自分の走りはとてもリズムがあり、気持ちよく乗れている。来年に向けて、いいレースにしたいです」とパシーニ選手。

続いて、M・シュロッター選手(KALEX)が2位、X・ヴィアージ選手(KALEX)が3位となる。
首位のF・バグナイア選手(KALEX)は16位、ランキング2位のM・オリヴィエーラ選手(KTM)は20位に終わる。
また、長島哲太選手(KALEX)は21位につけた。
「このコースに苦手意識があるけど、昨年と比べたら、かなりいいフィーリングで走れている。しかし、セクター4はうまくいかない。今日は予選で転倒してしまい、タイムを更新するチャンスを逃してしまった。今日も転んでしまったので、明日の決勝では、いい結果を残してチーム・スタッフのがんばりに応えたい」と長島選手。

決勝当日は、気温13度という肌寒い気候だったが、ドライ・コンディションに恵まれた。
決勝レースがスタートすると、パシーニ選手がホール・ショット。ヴィアージ選手、予選5位のB・ビンダー選手(KTM)、I・レクオナ選手(KTM)などが続く。一方、シュロッター選手はウォーム・アップ前にエンジンがすぐにかからず最後尾スタートとなってしまう。
2周目に、パシーニ選手は転倒。この後、ビンダー選手がトップに立ち、ヴィアージ選手、レクオナ選手、D・アーゲター選手(KTM)などが続く。オリヴィエーラ選手は10位、バグナイア選手は12位につけていく。
7周目にレクオナ選手がクラッシュ・ダウン。この後、ビンダー選手、アーゲター選手、L・バルダッサリ選手(KALEX)、ヴィアージ選手のオーダーに。ビンダー選手がトップを守っていく。
12周目、ヴィアージ選手がトップに浮上。ビンダー選手、バルダッサリ選手、アーゲター選手、J・ミル選手(KALEX)、A・フェルナンデス(KALEX)など7台が僅差で続き、レースは終盤へ。
残り2周で前に出たのはビンダー選手。先頭で最終ラップに入り、後ろからミル選手が続く。ヴィアージ選手とフェルナンデス選手は接触して遅れ、最後はビンダー選手とミル選手の一騎打ち。
ビンダー選手が逃げ切って今季3勝目を達成。
ミル選手は2位。ヴィアージ選手が3位となった。
また、オリヴィエーラ選手は11位、バグナイア選手12位でゴール。この結果、首位のバグナイア選手の点差は36点となった。
長島選手は13位、ポイント圏内でゴールしている。

コメント

優勝 B・ビンダー選手(KTM)
「クレイジーなレースだった。Moto3のようでした。いいスタートを切り、前に出て、集団から逃げようとしたが、残り13周でそれができないことが分かった。集団に残って、最後のためにセーブすることにした。他のライダーと何度か危ない場面があった。そこで、残り2周でリードすることにして、全力でプッシュした。優勝できてとてもうれしい。FP3で転倒してから、完全に新しいマシンに乗らなければならなかった。でも素晴らしいマシンだった。マレーシアでも同じようにレースしたいです」

2位 J.ミル選手(KALEX)
「今回の表彰台は僕にとってはとても特別です。昨シーズンは、ここでMoto3のタイトルを獲得したからです。ここまでの3戦、複雑な時間を過ごしていたので、表彰台に戻りたいと思っていた。チームはいいときも悪いときも僕のことをよく助けてくれたので感謝したい。残りの2戦もこの調子を続けて、優勝争いをしたい。レース・ウイークを通していいペースがあった。予選でもっといい走りがしたいです」

3位 X・ヴィアージ選手(KALEX)
「今日は1周目から気持ちよく走ることができた。常にトップ・グループに留まろうとがんばった。このサーキットはストレートでスリップが効くので常にグループの中にいることが大事です。抜いてもすぐに抜き返されるという、繰り返しだった。最後までトップ・グループにと留まれたし、3位になり表彰台に立つことができた。今日は何度も何度も接触する厳しいレースだったので、本当にうれしいです」

13位 長島哲太選手(KALEX)
「スタートは悪くなかったのですが、序盤にローズ選手にひっかかり、それで前と離れてしまった。9周目になんとか抜いてからはペースもよくて、オリヴィエーラ選手とバグナイア選手のバトルに追いついた。最終ラップは、バグナイア選手を抜いたのですが、向こうも意地を見せて抜き返してきた。今日は、金曜日の転倒の影響で右腕に力が入らなくなり、アクセル操作が苦しかった。フィリップアイランドは、去年一番苦労したレースですが、今年はポイントを獲得することができたのでよかったです。自分の成長を感じることができました」

Photo Gallery


Moto2Result

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 B.Binder Red Bull KTM Ajo KTM '39.23.427 Dunlop ユーザー
2 J.Mir EG 0,0 Marc VDS KALEX '39.23.463 Dunlop ユーザー
3 X.Vierge Dynavolt Intact GP KALEX '39.24.376 Dunlop ユーザー
13 長島哲太 IDEMITSU Honda Team Asia KALEX '39.33.214 Dunlop ユーザー

Moto3

アレナス選手が混戦を制して2勝目を達成

Moto3クラスには、フロントにソフトS、ミディアムM,リアにミディアムM1、ハードH3を供給した。
予選では、首位のJ・マルティン選手(HONDA)が今季10度目のポール・ポジションを獲得した。
「ウエット・コンディションだった午前中の走行でいい走りができた。強い風が吹いていたが、午後のドライ・コンディションでは、ひとりでいいペースをつかむことができた。明日の決勝に向けて、タイヤも決めることができました」とマルティン選手。
続いて、D・ビンダー選手(KTM)が2位、佐々木歩夢選手(HONDA)が3位フロント・ローに並ぶ。
「風が強くて大変だったが、うまくグループに混じって走り、3位となった。明日のレースも、今日のような走りができたら表彰台を狙えると思う」と佐々木選手。
また、1点差でランキング2位につけるM・ベゼッキ選手(KTM)は15位と低迷する。
鳥羽海渡選手(HONDA)は12位、鈴木竜生選手(HONDA)は予選後半で転倒してしまい24位に終わった。真崎一輝選手(KTM)はフリー・プラクティス3で転倒して左手を負傷したため欠場した。

決勝レースが始まると、予選5番手のG・ロドリゴ選手(KTM)がホール・ショット。
序盤から、マルティン選手、ビンダー選手、T・アルボリーノ選手(HONDA)、ロドリゴ選手、A・アレナス選手(KTM)、佐々木選手などが大集団を形成。ベゼッキ選手もこの集団に加わっていく。
10台以上が競り合うバトルが展開され、ビンダー選手、ロドリゴ選手、L・ダラ・ポルタ選手(HONDA)、ベゼッキ選手、F・ディ・ジャンナントニオ選手(HONDA)などが混戦を展開。マルティン選手も先頭グループに加わっていく。
ところが11周目にベゼッキ選手はロドリゴ選手の転倒に巻き込まれてクラッシュしてしまう。
中盤に入っても、トップ争いは大集団の戦いが続き、転倒車が続出。13周目にダラ・ポルタ選手が、翌周にはM・ラミレス選手(KTM)、J・マシア選手(KTMが)転倒してしまう。

レース終盤になるとトップ争いはさらに激しさを増す。ラスト・ラップに10台近くがサイド・バイ・サイドで突入。前に出たのはアレナス選手。しかし、ディ・ジャンナントニオ選手、C・ヴィエッティ選手(KTM)、鈴木選手などが僅差のバトルを展開する。
ヴィエッティ選手は残り2周で順位を上げて、トップ争いに加わっていた。
トップに立ったアレナス選手は、後続を抑えきって今季2勝目を決めた。
続いて、ディ・ジャンナントニオ選手が2位。N・ブレガ選手(KTM)の代役で参戦しているヴィエッティ選手が参戦2戦目で3位表彰台を獲得。
また、鈴木選手はラスト・ラップで追い上げて、今季最高位の4位でチェッカーを受けた。
首位のマルティン選手は5位となり、ランキング2位のベゼッキ選手との差は12点となった。上位5台がコンマ1秒以内でゴール・ラインになだれ込む激戦だった。
また、佐々木選手はラスト・ラップの攻防で遅れを取り10位、鳥羽選手19位となっている。

コメント

優勝 A・アレナス選手(KTM)
「序盤からずっと大混戦だった。集団の中でいい順位につけることに集中した。ラスト・ラップにはいい位置で入ることができて、そのままプッシュしていった。すごいレースだった。勝てて本当にうれしいです。これもチームのおかげです」

2位 F・ディ・ジャンナントニオ選手(HODNA)
「もてぎで転倒し、ここでも金曜日に転倒したので、正直、最初は表彰台のことは考えてなかった。体調はよかったが、100%ではなかった。しかし、追い上げていくにつれて、表彰台を狙えることが分かった。表彰台獲得できたことは素晴らしいことです。残り2戦もベストを尽くします。マレーシアへはしっかり力を蓄えて向かいます。大好きなサーキットなので自分たちのポテンシャルを出しきりたい。体調が非常に大事になってきます。準備は整えられると思う」

3位 C・ヴィエッティ選手(KTM)
「今日は最高の仕事ができた。マシンも調子よくて、最後はベストを尽くした。参戦2戦目で表彰台上がれるなんて、信じられない。激しいレースだったけど、表彰台で終われて、最高の気分です。このチャンスを与えてくれたチームに感謝しています。」

4位 鈴木竜生選手(HONDA)
「24番手から追い上げられたことは素直にうれしい。ウイークを通じて、一番いい走りができた。今日は予選が悪くて、近くにディ・ジャンアントニオ選手がいたので彼についていこうという作戦だった。その通りの走りができたし、ペース的にも悪くなかったと思う。最終ラップのダウン・ヒルで3番手にいたマルティン選手がミスをして、ライン上に戻ってきたときに、どうしてもアクセルを戻さなくてはいけなくて遅れた。それがなかったらと思う。でも、予選の状況を考えればいいレースができたし、次につながる結果だと思う」

10位 佐々木歩夢選手(HONDA)
「今日は予定通りにレースを戦えたが、最終ラップだけうまくいかなかった。自分のプランとしては最終ラップは2番手くらいで通過しようと思っていた。それでマルティン選手についていったが、最終コーナーでスピードを調整した分、1コーナーで一気に抜かれてしまい、表彰台争いから遅れてしまった。この数戦、自分のフィーリングと成績が折り合わず、フラストレーションがたまります。次のマレーシアは、チームのホーム・コースで自分も得意なサーキットなので、しっかり結果を残したい」

19位 鳥羽海渡選手(HONDA)
「スタートがよく、2コーナーのアウトから抜こうと思ったのですが、スピードが速かったのと風の影響もあり、コースを飛び出してしまい最後尾に落ちてしまった。それで単独になり、グループからも離されてしまった。今回はコース攻略ができていないポイントがあり、単独になるとペースが遅かった。最後まで前との差を縮めることができなかった。次のセパンは好きなサーキットなので、しっかり結果を残したい」

Photo Gallery


Moto3result

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 A.Arenas Angel Nieto Team Moto3 KTM '37.48.073 Dunlop ユーザー
2 F.Di Giannantonio Del Conca Gresini Moto3 HONDA '37.48.125 Dunlop ユーザー
3 C.Vietti SKY Racing Team VR46 KTM '37.48.132 Dunlop ユーザー
4 鈴木竜生 SIC58 Squadra Corse HONDA '37.48.154 Dunlop ユーザー
10 佐々木歩夢 Petronas Sprinta Racing HONDA '37.48.479 Dunlop ユーザー
19 鳥羽海渡 HONDA Team Asia HONDA '38.36.127 Dunlop ユーザー