第９戦　ドイツ　ザクセンリンク

サマー・ブレーク前の１戦、第９戦ドイツは、東部の町にあるザクセンリンクで行われた。
3.6キロのコースは、左コーナー10か所、右コーナー３か所を持つテクニカルコース。
ダンロップは、フロントにいつものミディアムＭ２、リアにミディアム３、エクストラ・ハードＳ１を用意した。

ドライ・コンディションで行われた予選では、Ｍ・パシーニ選手（KALEX）が今季２度目のポール・ポジションを獲得した。
「マシンが熱くなる前にタイムを出そうという戦略で、予定通り、いいタイムを出すことができた。過去３戦、いいレースができず、マシンにも問題を抱えていた。今大会、その問題を解消できた。明日の決勝は暑くなるので、厳しいレースになると思う」とパシーニ選手。

続いて、Ｌ・マリーニ選手（KALEX）が前戦に続くフロントロー、自己最高の２位をゲット。
首位のＦ・バグナイア選手（KALEX）は３位につける。
ランキング２位のＭ・オリヴィエーラ選手（KALEX）は、15位となる。
また、前戦で左手薬指を負傷して欠場した長島哲太選手（KALEX）が復帰して、26位につけた。
「痛み止めを飲んでもあまり効果がなく、厳しい１日だった。チームがカウルを改造してくれて、左手の薬指に風があたらなくなり、ずいぶん楽になった。今大会はタイムがすごく接近しているのでミスを犯さずしっかり走ればポイント圏内はいけると思う」と長島選手はコメントした。

決勝当日も晴天に恵まれた。
レースがスタートすると、マリーニ選手がホール・ショット。後ろからバグナイア選手、パシーニ選手、Ｓ・ロウズ選手（KTM）などが続く。
そして、２周目のラスト・コーナーでパシーニ選手が転倒。バグナイア選手はこの転倒に巻き込まれてしまい、17位にまで順位を落としてしまう。
マリーニ選手を先頭に、予選８位のＪ・ミル選手（KALEX）、予選10位のＢ・ビンダー選手（KTM）、ロウズ選手などが続く。
５周目になるとミル選手がトップに浮上。マリーニ選手、ビンダー選手などが続き、この３台がトップ・グループを形成。10周目になるとビンダー選手がトップに浮上。ミル選手、マリーニ選手が僅差で続く。
レース後半に入ると、トップのビンダー選手が逃げ切りを図り、コンマ５秒ほどの差をつける。

レース終盤に入っても、ビンダー選手がトップをキープ。コンマ５秒前後の差で、２位ミル選手、３位マリーニ選手が続く。また、オリヴィエーラ選手は序盤の12位から４位に挽回。マリーニ選手を追いかけていく。
ビンダー選手は、そのまま逃げ切り、Moto2クラス初優勝を達成した。
２位争いは、ミル選手とマリーニ選手の戦いとなり、僅差でミル選手が先にチェッカー。マリーニ選手は初の表彰台３位を獲得した。ランキング２位のオリヴィエーラ選手は４位でチェッカーを受けた。首位のバグナイア選手は12位に終わる。
この結果、ポイント・テーブルでは、首位のバグナイア選手とオリヴィエーラ選手の差は７点と詰まった。
また、長島選手は転倒リタイアしている。

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コメント

優勝 Ｂ・ビンダー選手（KTM）
「序盤の数周でどんどんポジションを上げられたので、いいペースで走れていると思った。10周目にトップに立ってからはリードを広げようとがんばっていった。終盤も集中して走って行った。最終ラップの１コーナーでハイサイド気味になり危なかった。優勝することができて本当にうれしいです」

２位 Ｊ・ミル選手（KALEX）
「今日はスタートからゴールまでビンダー選手にプレッシャーをかけていったが、彼はすばらしい走りで優勝した。ビンダー選手にはおめでとうと言いたい。今大会は予選があまりよくなかったが、表彰台を狙えると思っていた。それを達成することができた」

３位 Ｌ・マリーニ選手（KALEX）
「今日はケガをしている肩の影響でどんなレースができるのか不安だったけど、表彰台に立つことができた。予選で状態がよくなったことが結果につながった。頂点に到達するためには、着実に前進しなければならない。今日はスタートからゴールまでいいペースで走れた。最終ラップにミル選手をパスしようとしたが、できなかった。残念だったけど、今日の結果には満足しています」

リタイア 長島哲太選手（KALEX）
「スタートしてから着実にポジションを上げられたのですが、３コーナーで転んでしまった。自分としては無理はしていなかったし、３コーナーは気をつけていたが、フロントから転んでしまった。ザクセンリンクは昨年いいレースができたところなので悔しいです」

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Moto3クラスには、前回と同様、フロントにソフトと、ミディアムＭ、リアにミディアムＭ１と、ハードＨ３を供給した。
予選では、Ｊ・マルティン選手（HONDA）が今季６度目のポール・ポジションを獲得した。
「僕にとって15回目のPP獲得となった。明日のレースでは早めに大きなグループから抜け出し、何人かのライダーでバトルをして、優勝したい」とマルティン選手。
続いて、Ｍ・ラミレス選手（KTM）が２位、Ｅ・バスティアニーニ選手（HONDA）が３位に続く。
ランキング２位のＭ・ベゼッキ選手（KTM）は７位３列目となる。
また、佐々木歩夢選手（HONDA）は９位。
「今日の予選は一発のタイムを出すセッティングではなく、レース寄りのセッティングで９番手タイムを出せた。明日の決勝は、序盤の３周で順位を落とさないようにしてトップ・グループについていきたい」と佐々木選手。
鈴木竜生選手（HONDA）15位、小椋藍選手（HONDA）19位、真崎一輝選手（KTM）22位。鳥羽海渡選手（HONDA）は24位につけたが、予選で転倒して小指を負傷した。

マルティン選手のホール・ショットでレースは始まった。後ろからラミレス選手、J・マシア選手（KTM）、ベゼッキ選手、Ｔ・アルボリーノ選手（HONDA）などが続く。
序盤から大集団によるトップ争いが展開され、４周目にベゼッキ選手が浮上。マルティン選手、アルボリーノ選手、マシア選手、Ｊ・マクフィー選手（KTM）、Ｆ・ディ・ジャンナントニオ選手（HONDA）などがピタリとついていく。
中盤になると、マルティン選手、ベゼッキ選手、マクフィー選手、ディ・ジャンナントニオ選手、アルボリーノ選手の５台が先頭集団となるが、すぐに後続も追いつき大集団での戦いが続く。
16周目の１コーナーでディ・ジャンナントニオ選手が転倒。マルティン選手に接触したために、マルティン選手も少し遅れをとる。
後半に入っても、大集団のバトルは続き、ベゼッキ選手、マルティン選手を中心にトップ争いは展開される。
19周目、トップに上がったマルティン選手は逃げ切りを図る。その差は着実に広がり、約１秒にまでリードは広がる。単独２位にベゼッキ選手が続く。
レース終盤、マルティン選手は独走態勢。マクフィー選手が追い上げて、ベゼッキ選手と２位争いとなる。
マルティン選手が逃げ切って２連勝で今季５勝目を達成。
続いて、ベゼッキ選手がからくも２位を守り切った。マクフィー選手は今季初の表彰台３位を獲得した。
また、佐々木選手は10位でチェッカー。
小椋選手は９位につけていた終盤、転倒してしまった。真崎選手は15位、鳥羽選手18位。鈴木選手は序盤に転倒している。

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コメント

優勝 Ｊ・マルティン選手（HONDA）
「マシンは完ぺきだったし、最高のペースでレースを戦うことができた。レースでは、トップ・グループの中でしばらく様子を見ていた。何人かのアグレッシブなライダーもいて、ディ・ジャンナントニオ選手と接触もあった。奇跡的に転ばずに済んだ。その後、プッシュしていった。今日はすばらしい勝利を収めたが、ベゼッキ選手がとても強いレースをしているので気を緩めることはできない。ランキング・トップでサマー・ブレークを迎えるので、とてもうれしい」

２位 Ｍ・ベゼッキ選手（KTM）
「大変なレースだったけど、いい結果に終わったのでよかった。アッセンで転倒していたから、まだ表彰台に戻りたかったんだ。サポートしてくれたすべての人に感謝したい。首位のマルティ選手とはそんなにポイント差はないから、後半戦またがんばるよ」

３位 Ｊ・マクフィー選手（KTM）
「スタートはいまいちだったけど、マシンの調子がよかったので、追い上げることができた。トップ集団に追いついて、いいレースができたと思う。最後はベゼッキ選手に追いついて、前にでたかったけど無理だった。それでも３位表彰台だからうれしい」

10位 佐々木歩夢選手（HONDA）
「今日はスタートもよくてトップ・グループについていけたが、その中でなかなかポジションを上げられなかった。納得のいく結果ではないが、５戦ぶりにポイントを獲得できたことはよかったと思う。今大会は、これまでとレース・ウイークの組み立てを変えたことが結果につながった。夏休み明けのチェコ戦では、今大会の流れをしっかり自分のものにしたい」

15位 真崎一輝選手（KTM）[ ]
「レースでは、追い上げようと集中していった。何台も抜いていったが、前の大集団には追いつくことはできなかった。最後には12位を争っていて、15位になった。ポイントを獲得できたことはよかった。状態は少しずつよくなっていると思う。これから、日本に帰ってトレーニングをして、またヨーロッパに戻ってきます」

18位 鳥羽海渡選手（HONDA）
「今日は痛み止めを飲んで、痛みを忘れてレースに集中した。しかし、ブレーキングはあまりよくなくて、ポジションを上げることができなかった。後半はグループから遅れ、右手の小指の痛みも出てきて厳しいレースになった。予選で転倒して手をケガしたのがすべてだと思う。短い夏休みには、次戦までしっかりケガを治して、前半戦の課題となっている走り出しの遅さを克服できるようにしたい」

リタイア 小椋藍（HONDA）
「前を走るライダーがさらに前のライダーを抜こうとしたときに一緒にはらんだので、そのイン側に入った。しかし、ライダーがライン上に戻ってきてぶつかってしまった。自分が相手の立場なら避けられたと思うのですが、とても残念です。たらればになりますが、完走していれば６位にはなれたと思う。今回はブレーキングでも負けてけていなかったし、本当に悔しい転倒でした」

リタイア 鈴木竜生選手（HONDA）
「今日は序盤からプッシュしようという作戦でした。しかし、最終コーナーでフロントから転んでしまった。今日はいいスタートが切れてトップ・グループについていけたので悔しい。チェコ戦が始まるまでしっかりトレーニングをして後半戦に備えたい」

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