Moto3

フェナーティ選手が今季初優勝を達成

予選で、R・フェナーティ選手(HONDA)が、2017年以来のポール・ポジションを獲得した。ところが、予選中のスロー走行で多くのライダーがペナルティを取られ、フェナーティ選手の最速タイムも取り消しとなり、2番手に降格となった。
代わってJ・マクフィー選手(HONDA)がポール・ポジションとなった。
鈴木竜生選手(HONDA)も好タイムを出していたがペナルティで降格となり14位へ。
3番手には鳥羽海渡選手(HONDA)が並んだ。
また、真崎一輝選手(KTM)19位、佐々木歩夢選手(HONDA)20位、小椋藍選手(HONDA)23位となる佐々木選手、小椋選手もペナルティでグリッドが降格されている。
首位のA・カネット選手(HONDA)は13位、ランキング2位のL・ダラ・ポルタ選手(HONDA)は8位につける。

Moto3クラスの決勝は、ハーフ・ウェットでスタートした。
好スタートを切ったのは、フェナーティ選手。後ろからT・アルボリーノ選手(HONDA)、マクフィー選手が続き、まずはこの3台がトップ集団を形成。4位のダラ・ポルタ選手以下は少し離される。
カネット選手は序盤に他車と接触があり、9位と出遅れる。
レース中盤の11周目になるとフェナーティ選手がトップに上がり、引き離しにかかる。
後ろからアルボリーノ選手、マクフィー選手が続く。ダラ・ポルタ選手は4位争いを展開。カネット選手は9位につける。
レース終盤になるとトップのフェナーティ選手は約2秒の差をつける。
2位争いのアルボリーノ選手とマクフィー選手に、J・マシア選手(KTM)とC・ヴィエッティ選手(KTM)が追いつき、4台が2位争いを展開。残り2周でマシア選手は転倒してしまう。
フェナーティ選手は、2017年以来の優勝を達成。
2位争いはゴール直前でサイド・バイ・サイドの激戦となり、アルボリーノ選手、マクフィー選手がわずかの差で2、3位となった。
また、ダラ・ポルタ選手は6位、カネット選手は10位。この結果、ダラ・ポルタ選手が1点差で再び首位に上がった。
また、小椋選手は12位、佐々木選手は13位、鳥羽選手は18位、真崎選手は24位。鈴木選手は転倒リタイアに終わった。

コメント

優勝 R・フェナーティ選手(HONDA)
「優勝できる日を長い間待っていた。表彰台に上がったことがないこのサーキットで、昨日予選1位を獲得して最高の気分だった。マシンは完ぺきだった。この優勝は、難しい2年間を支えてくれた家族、友人、チーム、すべての人のために捧げたいです。今日はミスをしなかった。全力を尽くした」

2位 T・アルボリーノ選手(HONDA)
「今週末は100%の状態ではなかった。もっといい結果を出せたはずだったが、目標は着実に走りきって、いい結果を出すことだった。今回の2位はチャンピオンシップにとって重要な結果になった」

3位 マクフィー選手(HONDA)
「レース序盤は調子よくて、後方に4秒差をつけることができたが、終盤は厳しい走りになった。フェナーティ選手に追いつくことができず、後ろのライダーが僕に近付いてくるのが見えた。最終ラップの唯一の希望は、最終コーナーでうまく立ち上がり、フィニッシュすることだった。その通りに走ることができたが、ピット・レーンに入るまで3位になれたことに気付かなかった。チームのためにも、表彰台に上がれてうれしいです」

12位 小椋藍選手(HONDA)
「ペナルティーでグリッド後方からのスタートとなった。今週は、単独でいいリズムを刻めず苦戦した。予選でもタイムを出すために、他のライダーのスリップを使ったが、これがペナルティーを受けてしまう理由だった。今日の結果には満足していないが、フリー、予選でやってきたことをすべて決勝で出せたと思う。二度とミスを犯さないようにしたい」

13位 佐々木歩夢選手(HONDA)
「ペナルティーを受けて、予選順位が降格となった。決勝レースのコース・コンディションはあまりよくなかった。ドライ・レースだったら、もっといい走りができたと思う。ペナルティーがなければ、全く違った日になったと思うので、残念です」

18位 鳥羽海渡選手(HONDA)
「ハーフ・ウエットの路面状態で、序盤の6周は転ばないように慎重に走るだけだった。これまで苦手としていてウエット・コンディションは克服したが、ハーフ・ウエットはまだ克服できていない。この数戦、転倒が続いていたことで、慎重になりすぎた。トップ・グループと大きな差が開いてしまった。レースを完走できたが、ノー・ポイントに終わり本当に残念です」

リタイア 鈴木竜生選手(HONDA)
「今回も自分のミスで転倒してしまった。序盤、チーム・メイトのアントネッリ選手を抜き、さらにマシア選手もパスしようと思い、限界を超えてしまった。ちょっとラインを外したらウエット・パッチに乗って転んでしまった。転倒が続いていてチームには申し訳ない気持ちです」


Moto3Result

順位 ライダー チーム マシン タイム
優勝 R.Fenati VNE Snipers HONDA '37.50.135 Dunlop ユーザー
2位 T.Arbolino VNE Snipers HONDA '37.51.232 Dunlop ユーザー
3位 J.Mcphee Petronas Sprinta Racing HONDA '37.51.240 Dunlop ユーザー
12位 小椋藍 Honda Team Asia HONDA '38.13.935 Dunlop ユーザー
13位 佐々木歩夢 Petronas Sprinta Racing HONDA '38.14.019 Dunlop ユーザー
18位 鳥羽海渡 Honda Team Asia HONDA '38.30.549 Dunlop ユーザー
24位 真崎一輝 BOE Skull Rider Mugen Race KTM '39.06.866 Dunlop ユーザー
リタイア 鈴木竜生 SIC58 Squadra Corse HONDA '6.50.995 -19 laps Dunlop ユーザー

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Moto2

ビンダー選手が今季初優勝を達成

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チェコGPの翌週、オーストリアのレッドブルリンクで第11戦が行われた。
ドライ・コンディションで行われた予選では、長島哲太選手(KALEX)が初のポール・ポジションを獲得する。
「初めてのポール・ポジションをとれて本当にうれしい。これもチームのおかげだと思う。明日は、グリッドで前に誰もいない感じが分かると思う。ベストを尽くしていいレースをしたいです」と長島選手。

続いて、2位はD・ビンダー選手(KTM)、3位にタイ人ライダーのS・チャントラ選手(KALEX)が初のフロント・ローをつかんだ。
また、首位のA・マルケス選手(KALEX)は11位となる。

決勝当日の朝は雨が降り、ウォーム・アップはウェット・コンディションで行われる。
その後雨は止み、ほぼドライ・コンディションでMoto2クラスの決勝レースを迎える。
スタートが切られるとビンダー選手、長島選手、T・ルティ選手(KALEX)、X・ヴィアージ選手(KALEX)などが続く。

まずは、ビンダー選手、ヴィアージ選手、長島選手がトップ集団を形成。ビンダー選手がレースをリードしていく。
ところが、4周目にヴィアージ選手が長島選手に突っ込み、2台は転倒してしまう。
これで、ビンダー選手が単独トップに。後方では、E・バスティアニーニ選手(KALEX)、R・ガードナー選手(KALEX)、ルティ選手、L・マリーニ選手(KALEX)が2位争いを繰り広げる。マルケス選手もこの戦いに加わっていく。
レース中盤、トップのビンダー選手に、ガードナー選手が接近してトップ争いを展開。バスティアニーニ選手、マルケス選手も加わっていく。ルティ選手は9位に後退する。
終盤になるとガードナー選手がマルケス選手と接触して転倒。
さらに残り4周というところで、マリーニ選手のクラッシュにバスティアニーニ選手が巻き込まれて2台は転倒してしまう。
ビンダー選手はトップをキープ。マルケス選手は難を逃れて2位につける。
ビンダー選手はそのままマルケス選手を抑えると、KTMの地元オーストリアで今季初優勝を決める。マルケス選手は2位。
上位陣の脱落で、J・ナバーロ選手(SPEED  UP)が3位となった。ルティ選手は6位でゴールしている。
この結果、首位のマルケス選手と2位ルティ選手の点差は43点に広がった。

コメント

優勝 B・ビンダー選手(KTM)
「このサーキットと相性がいいことは分かっていた。KTMのファンの前で優勝することができてうれしいです。これまで経験したことのがないような最高の気分です。チームは一生懸命仕事をしてくれた。このような結果を出せることができてうれしいです」

2位 A・マルケス選手(KALEX)
「朝のウオーム・アップで雨が降ったので、とてもトリッキーなコンディションだった。序盤はいい位置につけなくて、追い上げるのが大変だった。たくさん周回は残っていたので、少しずつ挽回した。残り2周でビンダー選手にアタックするチャンスがあったが、リスキーだったのでやめた。2位を獲得してとても大事なポイントも獲得できた」

3位 J・ナバーロ選手(SPEED UP)
「朝のウォーム・アップでいろいろ調整し、マシンがよくなった。アクセル全開でスタートたが、1周目はかなりポジションを落してしまった。そのあとも集中力を維持して、トップ・グループとの差を縮めていった。レース序盤のことがなければ、優勝争いもできたかもしれない。でも表彰台に上がることができてすばらしい気分です」

リタイア 長島哲太選手(KALEX)
「いいリズムで走っていたので、転倒で終わったことは本当に残念です。でもウィークを通していい走りができていた。チームには感謝したい。状態はいいので、次のレースが楽しみです。きっといいレースができると思う」


Moto2Result

順位 ライダー チーム マシン タイム
優勝 B.Binder Red Bull KTM Ajo KTM '37.24.963 Dunlop ユーザー
2位 A.Marquez EG 0,0 Marc VDS KALEX '37.25.293 Dunlop ユーザー
3位 J.Navarro Beta Tools Speed Up SPEED UP '37.26.802 Dunlop ユーザー
9位 長島哲太 ONEXOX TKKR SAG Team KALEX 11'44.890 -18 laps Dunlop ユーザー