Moto3
ダラ・ポルタ選手が今季初優勝を決めて首位に浮上
予選では、佐々木歩夢選手(HONDA)が初のポール・ポジションを獲得した。日本人選手のポールは2016年日本GPの尾野弘樹選手以来となる。尾野選手は、ペナルティを受けて4位のグリッドからスタートしている。
「久しぶりの日本人のポール・ポジションだと言われたが、大事なのは決勝です。明日は、優勝争いに加わり、しっかり表彰台に立てるようにがんばります。今回はレース用タイヤもソフトタイヤでもしっかりタイヤのパフォーマンスを引き出せている。フリー、予選の走りが出来れば決勝もいいレースができると思う」と佐々木選手。
続いて、鳥羽海渡選手(HONDA)が2番手。
「バイクは全体的に良く仕上がってるが、セクター2で思うような走りができていないので、決勝に向けてその部分を改善したい。明日のレースは、もちろん、優勝、表彰台を目指すが、過去3レース、転倒しているので、最後まで走り切りたい」と鳥羽選手。
日本人選手の予選1,2位は、2001年の南アフリカGPの宇井陽一選手、上田昇選手以来となった。
3番手はM・ラミレス選手(HONDA)がつける。一方、首位のA・カネット選手(KTM)は22位8列目と苦しい位置からのスタートとなる。
また、鈴木竜生選手(HONDA)14位、小椋藍選手(HONDA)16位、真崎一輝選手(KTM)23位につける。
決勝レースがスタートすると、2列目スタートのR・フェナーティ選手(HONDA)がホール・ショット。後ろからラミレス選手、鳥羽選手、佐々木選手、L・ダラ・ポルタ選手(HONDA)などが続く。
中盤に向けて、ラミレス選手、ダラ・ポルタ選手、フェナーティ選手が次々にトップを入れ替える混戦が続く。
10周目に先頭に出たラミレス選手が逃げ切りを図るが、2位以下の集団も離されずについていく。
後半に入った16周目に、鳥羽選手は転倒してしまった。
ラミレス選手、フェナーティ選手、ダラ・ポルタ選手、佐々木選手など7台がトップ集団を形成する。
レース終盤になっても、トップ集団は大混戦。後方からカネット選手が目覚ましい勢いで、上位陣に追いつき、25周目には2位に浮上する。
ラスト・ラップはカネット選手、ダラ・ポルタ選手、ラミレス選手、フェナーティ選手が激戦を繰り広げ、ダラ・ポルタ選手が今季初優勝をさらった。
2位はラミレス選手、カネット選手は3位。この結果、ダラ・ポルタ選手がランキング・トップに浮上し、カネット選手は2点差で2位となった。
また、小椋選手7位、鈴木選手8位、佐々木選手9位。真崎選手17位でゴールした。
コメント
優勝 L・ダラ・ポルタ選手(HONDA)
「この優勝には、とても大きな意味があります。このサーキットはあまり得意ではなくて、レースはたいへんでした。周回が進むにつれて、プッシュした。正直いって優勝できるとは思っていなかった。これまで何度も表彰台に上がってきたが、今回が最高の結果です。そして最高の形で夏休みに入ることができる。チームはすばらしい仕事をしてくれました」
2位 ラミレス選手(HONDA)
「今日は強い走りができて、優勝を目指してがんばった。しかし、昨日からヒザに痛みがあり、このサーキットは多くの力を必要とするので大変だった。それでも2位を獲得できてうれしい。シーズンがスタートしたときよりもいいフィーリングになってきた。ランキング4位になった。チームに本当に感謝しています」
3位 A・カネット選手(KTM)
「この結果には満足している。最後の5周は、本当にプッシュしていった。ラスト・ラップで少しミスがあって勝てなかったけど、この結果はチャンピオンシップにとってもよかった。KTMもすごくがんばってくれている。サマーブレークのあともがんばるよ」
7位 小椋藍選手(HONDA)
「今週はコーナーでフロントの接地感がないという課題を抱えていた。決勝はフロントにウエイトを積み少しはよくなったが、全体的なフィーリングはそれほど変わらなかった。そのため序盤は予選順位と同じ15、16番手くらいだった。周回を重ねるごとにペースを上げていくことができた。最後はトップと0.7秒差の7位まで追い上げられたので、あと、2、3周あれば優勝争いに加われたと思う。この数戦、予選がいいときは決勝がだめで、予選がだめなときは決勝でいい走りができている。後半戦は両方をうまくミックスさせたい」
8位 鈴木竜生選手(HONDA)
「トップ・グループよりいいペースで走れていたので、追いつくことができた。今大会はハード・タイヤでセッティングを続けいて、そのいいところを出せたと思う。全体的にはいい形で決勝を迎えられたが、すべてがいいという状態をなかなか作れていない。後半戦は、今の取り組みを続けていき、強いレースができるようにしたい。この数戦、トップ・グループを走っていて転倒するなど悪い流れが続いていたが、今日の8位で悪い流れを断ちきれたと思う」
9位 佐々木歩夢選手(HONDA)
「ラスト3周くらいまでは自分の狙っていた通りの走りができたが、ラスト3周は激しい戦いの中でリズムを崩してしまった。今回は、速さ的にはいいところを出せたと思うが、最後は精神的な弱さが出たと反省している。もっと強引な走りをしないと、あの混戦の中ではポジションをキープできないということを感じた。速さをしっかり出せるようになってきたので、後半戦は、自分のいい部分をしっかり出せるようにしたいです」
リタイア 鳥羽海渡選手(HONDA)
「今日は、落ち着いて集団の中で走行し、レース後半に備えていた。しかし、後半に入ってアレナス選手が転倒し、ラインを変更したときに、少しブレーキングを遅くしたため、転倒してしまった。これで4戦連続リタイアとなり、なにも言うことがありません。これからサマーブレイクに入りますが、後半戦、しっかり成績を残せるよう、懸命にトレーニングをして、ブルノに戻ります」
Moto3Result
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム | |
優勝 | L.Dalla Porta | Leopard Racing | HONDA | '39.29.348 | |
2位 | M.Ramirez | Leopard Racing | HONDA | '39.29.420 | |
3位 | A.Canet | Sterilgarda Max Racing Team | KTM | '39.29.468 | |
7位 | 小椋藍 | Honda Team Asia | HONDA | '39.30.026 | |
8位 | 鈴木竜生 | SIC58 Squadra Corse | HONDA | '39.30.097 | |
9位 | 佐々木歩夢 | Petronas Sprinta Racing | HONDA | '39.30.177 | |
17位 | 真崎一輝 | BOE Skull Rider Mugen Race | KTM | '39.47.591 | |
リタイア | 鳥羽海渡 | Honda Team Asia | HONDA | '27.11.314 -9 laps |