第3戦　ポルトガル　ポルティマオ

ヨーロッパに戻り、ポルトガル、ポルティマオで第３戦を迎えた。
ドライ・コンディションで行われた予選では、開幕２連勝中のＳ・ロウズ選手（KALEX）が、開幕３戦連続ポール・ポジションを獲得する。
「前の２戦よりはたいへんだった。チームがマシンをうまくセットアップしてくれて、いいタイムを出すことができた。レースに向けても自信がある」とロウズ選手。
続いて、Ｒ・ガードナー選手（KALEX）が２位、Ｘ・ヴィアージ選手（KALEX）が３位。小掠藍選手（KALEX）は、４位２列目と好位置につけた。
「予選ではいい走りができた。でも、まだレースに向けてマシンを調整したい」と小掠選手。
　
決勝当日も晴天に恵まれた。
決勝が始まると、スタート直後の第１コーナーでポール・シッターのロウズ選手がハイサイド・クラッシュしてしまう。
トップに立ったのは、ガードナー選手で、Ｍ・ベゼッキ選手（KALEX）、Ｊ・ロバーツ選手（KALEX）、ヴィアージ選手などが後ろから続く。小掠選手は７番手に続く。
４周目にベゼッキ選手がトップに立ち、そのまま引き離しにかかる
２位以下は、ガードナー選手、Ａ・カネット選手（BOSCOSCURO）、ロバーツ選手、Ｒ・フェルナンデス選手（KALEX）などが続く。
中盤になると、ベゼッキ選手は後続車に追いつかれ、ロバーツ選手、カネット選手、ガードナー選手、ベゼッキ選手、フェルナンデス選手など７台のトップ争いを始める。
レース終盤になると、トップ争いは、カネット選手、フェルナンデス選手、ロバーツ選手の３台に絞られていく。
残り４周でフェルナンデス選手がトップに浮上するとラスト・スパート。そのまま後続を離していくと、Moto2クラス初優勝を達成した。
カネット選手、ロバーツ選手、ガードナー選手が２位争いを展開。最終ラップは激しいドッグ・ファイトとなり、カネット選手がMoto2クラスで初の表彰台２位をゲット。ガードナー選手が３位となった。
この結果、ポイント・テーブルでは、ガードナー選手が首位に上がり、４点差の２位にフェルナンデス選手。
転倒したロウズ選手は、「スタートが悪くて、１コーナーでガードナー選手にぶつかりそうになって、リア・ブレーキをかけたら転倒してしまった」とコメント。ランキング３位に後退した。
　　

コメント

優勝　Ｒ・フェルナンデス選手（KALEX）
　「言葉で言い表わせないくらいうれしいです。予選で、いいラップが（コースを外れたとして）キャンセルされて、10位からのスタートだった。今日は朝のウォーム・アップから調子がよかったし、レースでも、特に終盤もよく走れた。チームに本当に感謝しています」

２位　Ａ・カネット選手（BOSCOSCURO）
　「最高にハッピーな日になった。序盤から上位集団にいて、冷静に走った。最後まで優勝争いをして、表彰台に上がることができた。この調子で次のヘレスもがんばるよ」

３位　Ｒ・ガードナー選手（KALEX）
　「もう少し上位を期待していたけど、でも表彰台に上がれてうれしい。去年もここではよかったけど、今日のレースはタフだった。得点を稼ぐことができたし、この調子で戦っていきたい」

リタイア　小掠藍選手（HONDA）
　「期待したようにはいかなかった。今日は、トップ５位付近を走るライダー達と競り合うペースはなかった。それでも、なんとかついて行って、感触をつかむタイミングを待っていた。転倒してしまって、申し訳ない気持ちです。転倒した原因は、色々なことが考えられますが、クラッシュしたのは私です。チャントラ選手を巻き込んでしまったので、心から謝りたいです」

予選では、Ａ・ミーノ選手（HONDA）が今季初のポール・ポジションを獲得する。
「フィーリングはいい。レースは混戦になると想うが、戦う準備はできています」とミーノ選手。
続いて、Ｄ・フォッジア選手（HONDA）２位、Ｓ・ガルシア選手（GASGAS）が３位に続く。
日本人最上位は、佐々木歩夢選手（KTM）で今季最高の８位３列目。
「予選ではいいタイムを出せた。でも、レース・ペースはまだテストできていないので、朝のウォーム・アップで調整したい」と佐々木選手。
鈴木竜生選手（HONDA）11位。國井雄輝選手（HONDA）18位、鳥羽海渡選手（KTM）19位、山中琉聖選手（KTM）20位につける。
　
決勝レースが始まると、ミーノ選手がホール・ショット。７位３列目スタートのＸ・アルティガス選手（HONDA）、ガルシア選手、フォッジア選手などが続く。
アルティガス選手は１周目に先頭に出るが、４周目転倒してしまう。
レース中盤、フォッジア選手を先頭に、ガルシア選手、Ｐ・アコスタ選手（KTM）、ミーノ選手、鈴木選手、佐々木選手、Ｊ・マシア選手（KTM）など10台が僅差で続く。16周目に、鈴木選手は転倒してしまう。
　
最終ラップは、フォッジア選手がトップで突入するが、すぐにアコスタ選手が先頭に出る。トップ集団では、マシア選手が転倒、ガルシア選手はマシンが振られて遅れるなど、激戦となる。
トップに立ったアコスタ選手は、そのまま後続を抑えきるとトップでチェッカー。２連勝を決める。フォッジア選手は２位。
ミーノ選手の後ろから佐々木選手は今季最高の４位でゴールした。
また、山中選手は10位。國井選手16位。鳥羽選手は転倒後、再スタートしたが、周回数不足のために順位はつかなかった。鈴木選手はリタイアとなった。

コメント

優勝　Ｐ・アコスタ選手（KTM）
　「朝のウォーム・アップのときから、いいリズムで走れていた。スタートから飛び出したかったが、ライバルたちも速くて無理だった。それで、終盤まで集団にいて、最後に勝負しようと思っていた。ラスト・ラップは厳しかったけど、また優勝することができた」　

２位　Ｄ・フォッジア選手（KTM）
　「いい結果がほしかったので、表彰台に上がれて本当にうれしい。ここ２戦よくなかったので、やっと結果が出た。今日は、いいフィーリングで走ることができた」

３位　Ａ・ミーノ選手（HONDA）
　「いいレースができたと思う。最後のストレートで少しギアのセッティングの問題で、順位を上げることができなかった。もう少しだった。勝ちたかったから残念だけど、表彰台に上がれたからうれしいよ」

４位　佐々木歩夢選手（KTM）
　「いいレースができたと思う。序盤は苦しかったが、中盤になるとペースが落ちるライダーもいて、僕は少しずつ追い上げることができた。もう少しで表彰台だったので、少し残念です。確実によくなっていると思う。ヘレスでもこの調子でがんばります」

10位　山中琉聖選手（KTM）
　「今週は最初からセッティングに苦労していた。今朝のウォーム・アップでもあまりいい感じではなかったが、モチベーションは切らさないようにしていた。レースでは集中して走って、トップ10に入ることができて、うれしいです」

16位　國井勇輝選手（HONDA）
　「今回は、バイクの良いフィーリングを掴むのに苦労した。それを見つけても、ラップ・タイムは上がらなかった。私のライディングスタイルに問題があり、何度もミスを犯してしまったので、改善する必要がある。今日は、レース中のペースが良くなく、また去年のレースと同じミスを犯してしまった。自分の限界を超え、上位勢を追いかけるリスクを取れるようになれば、速くなれると思う」

鳥羽海渡選手（KTM）
　「トップ・グループで走れたのですが、ミスして転んでしまった。フィーリングは戻ってきたので、次はがんばります」

リタイア　鈴木竜生選手（HONDA）
　「ポジティブなレースができた。序盤から、自分のポジションをキープしていたが、終盤、後ろのライダーに接触されてしまって、残念ながら転倒してしまった。0点は痛いですが、体調もよくなってきたので、次のヘレスではしっかり結果を出したいです」