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トライアルGP
世界を相手に黒山健一選手や野崎史高選手らが躍動
2023 Herts FIMトライアル世界選手権シリーズの第3戦となる「大成ロテック日本グランプリ大会」は、2023年5月20日（土）～21日（日）に、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された。日本でトライアル世界選手権が行なわれるのは4年ぶり。大会は、1日ごとに決勝が実施された。全日本トライアル選手権の国際A級スーパークラスでダンロップを履く最強王者の小川友幸選手は、残念ながら不出場となったが、他の全日本トップライダーたちは、世界最高峰のTrialGPクラスなどと併催されるTrial2クラスに参戦した。競技は両日とも、4時間15分の持ち時間で12セクションを2ラップする設定。全日本とは異なる世界戦のルールとして、減点が同じ場合はタイム差が考慮され、より早くゴールしたライダーが上位となる。今回のTrial2クラスには、世界の強豪を含む36名がエントリーしていた。
2日間を通して、NEWダンロップタイヤGEOMAX TRIAL TL01を愛用する日本人選手の中で最も活躍したのは、今年からただひとり、ヤマハの電動トライアルバイク「TY-E 2.1」で全日本最高峰クラスに参戦している黒山健一選手（♯279）だった。1日目こそ、エンジン車に乗るTrial2クラスの常連ライダーたちを相手に16位と苦戦した黒山選手だったが、これは前日からの雨でぬかるんだ路面に対応しきれなかったことが原因。というのも黒山選手はそれまで、電動バイクでこのようなコンディションを走った経験があまりなかった。しかし、大会の中で滑りやすい路面状態にも慣れ、さらに2日目は好天に恵まれて路面が乾いてきたことから、2日目は黒山選手が日本人ライダー最上位となる4位を獲得。しかも3位とはわずか3点差で、表彰台を狙えるポテンシャルを見せつけた。また黒山選手は、13ポイント獲得により第3戦終了時点のポイントランキングでTrial2クラスの世界ランキング16位に名を連ねた。
今大会、日本人選手の中で黒山選手に次ぐ活躍をみせたのは野崎史高選手（♯291）。全日本選手権には今季もヤマハエンジン車の「TYS250Fi」で参戦し、第3戦では今季初優勝をマークするなど、黒山選手らと同じくダンロップタイヤを履いて活躍を続けている。その野崎選手は、1日目に5位と躍進。日本人最高位を手にした。ちなみに、Trial2クラスが設定される以前に行なわれていたトライアル世界選手権のジュニアカップ（20歳以下のクラス）で、野崎選手は2002年に日本人初の世界チャンピオンを獲得した経験を持つ。大会2日目は21位となった野崎選手だが、1日目の5位で11ポイントを得て、第3戦終了時点でランキング18位に名を連ねた。
なおその他の日本人選手では、小川毅士選手（♯278）が8位／10位、氏川政哉選手（♯290）は13位／11位、柴田暁選手（♯292）は12位／18位、久岡孝二選手（♯294）は21位／28位となった。
黒山健一選手（16位／4位）のコメント
「世界選手権の日本グランプリは無事に2日間とも走破でき、しかも2日目はなんと4位に入ることができたので、最高の気分です。大会前に掲げた3つの目標は、最終セクションまでちゃんと走りきること、15位以内に入賞してポイントを獲得すること、そしてできれば10位以内に入ることでした。1日目こそ16位でしたが、2日目はそれら3つをすべてクリアすることができ、10位以内どころか4位という順位を獲得できたことで、自分にとって最高の日本グランプリになりました。全日本選手権でもしっかり頑張って、そちらでも好成績をマークしたいと思います」
野崎史高選手（5位／21位）のコメント
「大会1日目は5位に入ることができたので、2日目はさらに上位を目指せるかなと思っていましたが、2日目は乗れている部分とそうでもない部分がありました。そして、2ラップ目に入ってからすぐのことでしたが、ちょっとしたマシントラブルが起きてしまい、そこから完全にペースが掴めないままゴールすることになりました。2日目の21位という結果は残念ですが、こうした経験も主戦場である全日本に生かして、良い状態で走れるようにしたいと思います」
決勝1日目Result
| 順位 | NO. | 選手名 | メーカー | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 | |
| 1位 | 219 | FARRE GARCIA Arnau | Sherco | 0 | 36 | 13 | |
| 2位 | 207 | PEACE Jack | Sherco | 7 | 44 | 9 | |
| 3位 | 233 | SUAREZ JAMBRINA Pablo | Montesa | 1 | 50 | 11 | |
| 4位 | 214 | GREEN Billy | Scorpa | 3 | 55 | 10 | |
| 5位 | 291 | 野崎史高 | Yamaha | 0 | 61 | 6 |  |
| 6位 | 224 | CANALES MARTOS Alex | Sherco | 6 | 62 | 8 |
決勝2日目Result
| 順位 | NO. | 選手名 | メーカー | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 | |
| 1位 | 219 | FARRE GARCIA Arnau | Sherco | 0 | 18 | 15 | |
| 2位 | 214 | GREEN Billy | Scorpa | 0 | 18 | 16 | |
| 3位 | 207 | PEACE Jack | Sherco | 0 | 19 | 18 | |
| 4位 | 279 | 黒山健一 | Yamaha | 0 | 22 | 13 | |
| 5位 | 208 | DUFRESE Hugo | Gasgas | 0 | 23 | 15 | |
| 6位 | 206 | TOURNOUR Gianluca | Sherco | 0 | 23 | 12 |
