シリーズ最終戦の舞台は、インディアナ州クロフォーズビルにあるアイアンマン・レースウェイ。インディカーやスーパークロスなど、モータースポーツが盛んなことで知られるインディアナポリスに程近い当地は、GNCC(グランドナショナルクロスカントリー)の会場にモトクロスコースを新設する形で、2014年からシリーズに組み入れられた。
夏は高温多湿な土地柄であるため、過去5回の開催日を振り返ってみると、ウェットあるいはマディコンディションに苛まれることが多かったが、今年は幸い好天に恵まれた。アイアンマンの土質は従来ハードパックだったが、モトクロスコースを新設する際に大量の砂とおが屑を用いた土質改善が行われている。
450クラスは前戦でイーライ・トマック(カワサキ)のタイトルが確定したが、250クラスではチャンピオン争いが依然として続いていた。首位アダム・シアンサルーロ(カワサキ)に対し、30点ビハインドのディラン・フェランディス(ヤマハ)が追う構図だ。タイムドプラクティスでは、ケン・ロクスン(ホンダ)が2分00秒762で450のポールポジション。250ではジャスティン・クーパー(ヤマハ)が2分01秒844で最速だった。
450クラスのヒート1では、ジョーイ・サバッチー(カワサキ)がホールショットを決めたが、オープニングラップ中にロクスンがトップに立った。サバッチーは後方からのチャージに屈し、5周目には4位まで後退。しばらくはトップ争いに食らい付いていたが、中盤になるとロクスン、トマック、マービン・ムスキャン(KTM)に絞られた。
終盤になると、上位グループが数珠つなぎとなり、0.1~0.2秒差を争うデッドヒートとなる。この中からムスキャンが14周目にトマックをかわし、15周目にはロクスンをも攻略してリーダーの座を奪取。残り3周を掌握したムスキャンがヒート1の勝者となった。
450クラスのヒート2は、またしてもサバッチーのホールショットで始まったが、ロクスン、トマックが早々と先行し、さらに3周目にはザック・オズボーン(ハスクバーナ)が3位に浮上した。ロクスン、トマック、オズボーンの3台は、徐々に後方を置き去りにしていった。
レース後半に差しかかると、周回遅れの出現によりトップグループのペースが乱れ、11周目にはトマックが先頭に、12周目にはオズボーンが2位に浮上し、ロクスンは3位へ。この段階で張り詰めていたものが切れてしまい、各々の間隔が広がった後にチェッカーとなった。オーバーオールでは、トマックが3位/1位で優勝し、3連覇のシーズンを締め括った。富田俊樹(ホンダ)は、18位/16位に入った。