4輪タイヤと2輪タイヤの旋回性の違い
4輪車の旋回
4輪車と2輪車で、最も大きく異なる要素としてコーナリングがあげられます。4輪車はハンドルを切ることによって発生するコーナリングフォースで旋回します。タイヤの形状もそれに合わせてトレッド面を広くとり、接地性を良くし、しっかりとグリップが得られるようなっています。
2輔車の旋回
4輪車に対して2輪車の場合は、バイクを傾けることによって発生する、キャンバースラストとコーナリングフォースで、旋回しています。キャンバーアングル(傾ける角度)が大きくなれば旋回力も増しますが、タイヤのショルダ一部にかかる負担も大きなものになります。またタイヤの空気圧によっても接地形状が異なり、旋回性能に影警を与えています。このようなコーナリング特性の違いや、求められる役割によってタイヤ形状が違ってきます。トレッド面は4輪のように平面的ではなくサイドに回り込む形状となり、ショルダ一部分の強度などにも2輪車独特の性能が求められています。
荷重配分による旋回特性の違い
2輪車の旋回特性ではキャンバーアングル以外に、荷重配分も重要なポイントになります。前輪の荷重を大きくすれば旋回力が増し、後輪の荷重を大きくすれば、トラクションの増大によって駆動力=加速性能が増します。 コーナー入口では前輪に荷重を掛けて旋回能力を上げ、コーナー出口で荷重を後輪に移すことで、バイクの立て直しから加速へ移る動作になっています。このことから、前輪にはコントロール性を、後輪にはトラクション性能が要求され、前後輪のバランスが旋回特性に大きく影響してまいります。
倒し込みの“きっかけ動作”について
ではバイクを旋回させるための、倒し込みについてこ説明しましょう。バイクを傾けたい方向と反対側へ、瞬間的にハンドルを切ることでコーナリングフォースが発生し、その反対方向に遠心力が生まれます。遠心力に引かれてバイクが倒れ、ハンドルが倒れた方向へ自然に切れていき、コーナリングヘ移行していきます。(コーナリング状態では図のようなバランスヘと移行します。) 以上のような流れで2輪車のコーナリングは行われています。レーサーから一般の方まで、ライダーはこの一連の動作を無意識に行っていますが、ダンロップはより自然に、よりスムーズに、不安を感じる事無く操作ができるバランスの取れたタイヤを理想として開発しています。